野党反発 全員出席求める
自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受けた参院政治倫理審査会は14日の開催が決定した。自民には「出席は本人の意向次第」という原則を盾に出席者を3人に絞り、問題を早期に収拾したいとの思惑があるが、野党は反発し、先行きは不透明となっている。
「我々は32人(の出席)を求めている。3人は第1弾で、それで終わる話ではない」
立憲民主党の岡田幹事長は12日の記者会見で、参院政倫審への自民の出席者が、参院安倍派会長を務めた世耕弘成・前参院幹事長ら3人にとどまったことを批判した。その上で、実態解明に向け、安倍、二階両派に所属した参院議員31人と、在宅起訴された大野泰正参院議員(自民を離党)の計32人の出席を求める考えを強調した。
自民は表向き、「出席は議員本人の意向を尊重する」としている。だが、実際には、不規則な発言が飛び出さないように党内で出席者の調整が行われたとみられる。国会対策委員会幹部は、「全員が出席すれば収拾がつかなくなる」と、調整が行われたことを示唆した。
野党は、真相究明を求める世論をバックに攻勢を強める。衆院政倫審では、安倍派で事務総長を務めた下村博文・元文部科学相が12日、出席を申し出た。下村氏は安倍派の政治資金パーティー券収入のキックバック(還流)の再開の経緯を知ることができる立場にあったとされ、厳しく追及する方針だ。
党則など改正案 自民総務会了承
自民党は12日の総務会で、派閥の政治資金規正法違反事件を受けた党則と党規律規約、ガバナンスコード(統治指針)の改正案を了承した。同法違反で政治団体の会計責任者が逮捕・起訴された場合の議員に対する罰則を明文化し、派閥の規制を強化することが柱だ。17日の党大会で決定する。