手話言語条例の制定を記念して記念写真に納まる関係者=島根県吉賀町六日市。町役場
島根県吉賀町は12日、手話を言語として認め、普及を促進する手話言語条例を制定した。県内自治体では出雲、益田両市に続き3番目。津和野町も13日に制定する見通しで、益田圏域の全3市町で条例が整う。関係者は制定の広がりに期待している。
手話言語条例は、ろう者にとって手話は欠かせない独自の言語であると位置付け、普及を掲げる。2017年に出雲市、20年に益田市が制定している。
吉賀町は、地元の聴覚障害者協会からの要望を受けたほか、全ての障害者が必要な情報を取得し、円滑な意思疎通ができる社会を目指す「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」施行を受け、制定を検討。この日の町議会本会議で条例案が全会一致で可決、同日施行された。
益田市と津和野、吉賀両町のろう者でつくる益田市聴覚障害者協会の金井和義会長(71)は「島根県西部から県全体に波及するよう期待したい。手話への理解を広げ、壁をなくしていけたらいい」と喜んだ。
町内には通訳者1人、手話奉仕員養成講座の受講者は30人いる。町は24年度、吉賀高校の生徒を対象にした養成講座を計画する。(藤本ちあき)