手話と歩み50周年 「あての会」会員ら節目祝う(2024年3月4日『中日新聞』)

展示された写真を前に50年を振り返る会員ら=金沢市三社町の県女性センターで

展示された写真を前に50年を振り返る会員ら=金沢市社町の県女性センターで

 

 手話を学ぶ健常者でつくる金沢市内の手話サークル「あての会」の創立50周年記念大会が3日、同市三社町の県女性センターで開かれた。50年の歩みを振り返る展示写真を前に会員らが歓談したほか、手話コーラス部の発表などで節目を祝った。
 全日本ろうあ連盟理事などを務めた同市の北野雅子さん=享年(80)=が、金沢大の学生との勉強会を前身に、1973(昭和48)年に創設。現在は高校生から高齢者までの市内約120人が所属する。
 同市高岡町の松ケ枝福祉館など市内4カ所で手話を学んでいるほか、手話コーラスや演劇の部活動や、市聴力障害者福祉協会と協力して、ろう者が生活で抱える問題解決に向けての活動などをしている。
 約100人が出席した式典では創設者の北野さんと、第10代会長で手話通訳者の育成に貢献し、昨年7月に亡くなった江口美由喜さんに感謝状が贈られた。
 壁下潤一会長(57)は「この50年の歩みを手話であふれる未来へつなげていきたい」と決意を新たにした。(柴田一樹)