経団連、新任副会長に女性ゼロ 「女性役員30%」はかけ声倒れ? 十倉雅和会長「来年以降に期待して」(2024年3月11日『東京新聞』)

 
 経団連は11日、新任の副会長4人が内定したと発表した。いずれも男性で、これで20人の副会長のうち女性はわずか2人。日ごろから女性の管理職や役員の登用を呼びかけている経団連が範を示せなかった。
 
経団連の十倉雅和会長(資料写真)

経団連の十倉雅和会長(資料写真)

 十倉雅和会長はこの日の会見で、退任する副会長3人の後任として長沢仁志(日本郵船会長)、高島誠三井住友銀行会長)、兵頭誠之(住友商事社長)、吉田憲一郎(ソニーグループ会長)の4氏を発表(5月31日の定時総会で正式決定)した。
 女性管理職をめぐっては、欧米などと比べて日本企業は低水準のまま。政府は東京証券取引所の最上位であるプライム市場に上場する企業は女性役員比率を2030年までに30%以上とする目標を掲げ、経団連も会員企業に呼びかけてきた。
 しかし、いざフタを開けてみれば、女性の新任副会長はゼロ。名だたる大企業のトップが集まるが、相変わらず男性が大多数を占めたまま。その点を問われた十倉氏は「いい人を探しているところ。来年以降に期待してほしい」と答えるだけだった。(久原穏)