求心力衰えるばかりの茂木派 「取り扱いマニュアル」今でも?(2024年3月8日『日刊スポーツ-「政界地獄耳」)

★「官僚も舌を巻く頭脳明晰(めいせき)」と言われながら、「部下や後輩議員への面倒見の悪さ」や「厳しい対応」がたびたび報じられ「瞬間湯沸かし器」とまで言われる自民党幹事長・茂木敏充。主要閣僚をこなしている時はポスト安倍の筆頭と呼ばれ、昨年秋口まではポスト岸田のひとりと言われた。ところが、一連の政治とカネや裏金問題で茂木派からの離脱が相次ぎ、派閥を維持しているものの求心力は衰えるばかり。

★国会では4日の参院予算委で「茂木敏充政策研究会」から「茂木敏充後援会総連合会」に10年間で合わせて約3億2000万円が移動していることを、立憲民主党参院議員・蓮舫が指摘。同派の他の議員も同じことをしており「茂木派方式」ではないかという手口である。共同通信によれば幹事長の「政策研究会」が、使途公開基準の緩い政治団体「後援会総連合会」に毎年多額の資金を寄付して支出の具体的な内容が不透明になっている仕組みで、資金移動が09~22年の14年で4億4000万円に上った。幹事長の事務所は「政治資金を法令に従い適切に処理し、収支を適正に報告している」とするが旧安倍派同様、法の抜け道を頭脳明晰に処理したのだろうか。

★そこで思い出すのが21年11月、幹事長に就任した直後に出回ったA4サイズ22枚にわたる14年の経産相時代に同省が作成したといわれる「大臣出張等メモ」と呼ばれる茂木取り扱いマニュアル。飲食の好みはともかくも、「移動」の項目では「大臣は気が短く無駄が大嫌いで、自分の思ったとおりでのスケジュールじゃないと機嫌を損ねる可能性が高い」とあり、「タバコ」に関しては「プライオリティ最優先、何よりもまずタバコ。タバコが吸えるか吸えないかで大臣の機嫌が大きく変わる。ありとあらゆる場所で吸える環境を最大限整えることが必要」など、もう嗜好(しこう)のレベルを超え、わがままかパワハラの域といえる。どうかその頭脳明晰さを蓄財に役立てず、国民のために生かしていただきたい。(K)