ウーバーのロボット配送(2024年3月7日『中国新聞』-「天風録」)

 ベストセラー「人新世(じんしんせい)の『資本論』」を書いた東京大准教授の斎藤幸平さん。理論だけでなく、実践を尊ぶ経済思想学者だ。さまざまな現場を体験し、学んでもいる。「ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた」という本で読める

▲題名にある食事宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員もした。人とのつながりを感じる仕事と期待したが裏切られる。残ったのは「ロボットにやらせるとコストが高過ぎる作業を人間が埋めているような虚無感」

▲それでも自由に働きたいという人には魅力的な仕事だろう。運動がてら、空き時間にできる。しかし最近はなり手が減ったのだろうか。ウーバーイーツジャパンはきのう自動走行ロボットによる宅配を東京都心で始めた

▲ロボットは箱形で6輪。飲食店で料理を受け取ると注文者の元へ。人工知能(AI)を搭載しており周辺の人やものを検知して衝突を避ける。「ご注意ください」と通行人に呼びかけながら、歩道を進む。すいすいと

▲2024年問題など人手不足も補ってくれそう。今後もAIは多くの仕事を請け負うはずだ。人間が地球環境を大きく変えている人新世の今、私たちの仕事は何だろう。

 

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