橋本氏は2014年版の予測地図と、実際に地震があった地点の確率を比較。その結果、15年から9年間で震度6弱以上の揺れを観測した22地震のうち、発生確率が高いとする6%以上の地域に影響があったのは9回だけだったとし、「次は南海トラフだと思い込ませ、(予測地図は)罪が重い」と指摘した。
また予測地図に「確率が低くても安全とは限らない」「油断は禁物」と注釈を入れている点を挙げ、「試作品だと白状している。そんなものを社会に出すことは問題だ」と批判した。
橋本氏は、調査委が2013年に南海トラフ地震の確率を発表した際の検討メンバー。22~23年には本紙と共同で時間予測モデルの根拠となる古文書を調査し、今年2月に「確率計算にモデルを使うべきではない」とする論文をまとめた。(小沢慧一)