法律を守れない国会議員「居座り続けられる」…緊急事態の任期延長、改憲に前向きな5党派が「回答せず」(2024年3月4日『東京新聞』)

 
 弁護士や法学者らでつくる「改憲問題対策法律家6団体連絡会」と憲法研究者有志は4日、国会内で会見し、緊急事態時の国会議員任期延長に関する公開質問状に対し、自民など改憲に前向きな5党派が回答しなかったと説明した。研究者らは会見で「裏金問題のように法律を守れない議員でも国会議員に居座り続けることができる」と任期延長を問題視した。

◆「政治家が達成感を得たいだけ」

 衆院憲法審査会では、緊急事態で選挙の実施が困難な場合の国会議員の任期延長が主要な論点となっている。自民と公明、日本維新の会、国民民主の4党、衆院会派「有志の会」は、任期延長には改憲が必要との立場で一致している。
 
議員任期延長改憲論の問題点などについて記者会見する(左から)石村修・専修大名誉教授、稲正樹・国際基督教大元教授、植野妙実子・中央大名誉教授、藤井正希・群馬大准教授=4日、衆院第2議員会館で

議員任期延長改憲論の問題点などについて記者会見する(左から)石村修・専修大名誉教授、稲正樹・国際基督教大元教授、植野妙実子・中央大名誉教授、藤井正希・群馬大准教授=4日、衆院第2議員会館

 

 質問状は昨年12月下旬、この5党派に送付。任期延長により政権や議員の「居座り」が続くことの危険性や、国民の選挙権の制限につながりかねない点などについて尋ねていた。
 4日の会見で専修大の石村修名誉教授は「大規模災害も法律で対応できる。政治家が改憲で達成感を得たいだけだ」と批判。中央大の植野妙実子(まみこ)名誉教授は「憲法には政治家の責任を問う規定がない。政治家の責任を問う仕組みとして選挙は非常に重要だ」と指摘した。(三輪喜人)