対象は18~35歳の男性と18~27歳の女性。2年間兵役に就く。専門職は最高45歳までで、兵役期間も長くなる。対象者は男女計約1400万人。拒否すると禁錮刑の罰則がある。地元メディアは「4月から、年間約5万人が徴兵される」と伝えている。
米国のシンクタンクは、35万人とされる国軍勢力が半減したと分析。士気も低下し、隣国タイやインドに逃亡する兵士も続出、国軍内ではミンアウンフライン総司令官ら幹部批判もささやかれているという。
一方、徴兵制の発表直後から国外脱出を企図する人が急増。第2の都市マンダレーでは、パスポートを求める市民数千人が窓口に殺到、2人が圧死する痛ましい事故まで起きた。最大都市ヤンゴンのタイ大使館には、同国の観光ビザを求める市民が連日押しかける。
本紙のオンライン取材に対し、若い世代は「自傷行為をしてでも徴兵を逃れる」(女子中学生)、「徴兵されたら殺し合いより降伏を選ぶ」(男子高校生)-など怒りと困惑の心中を明かしている。
地元メディアは、特に国軍との戦闘の激しい国境地帯出身の若者は、自分の親族に銃を向けることになりかねない任務に激しい拒否反応があるとみる。徴兵制は、国軍の思惑とは逆に、反軍組織に加わる若者を増やす可能性もある。