IUCN=国際自然保護連合のレッドリストで極めて絶滅のおそれが高いとされている中国固有のオオサンショウウオの一種が国内の水族館で飼育されているのが見つかり、京都大学などでは今後クローン個体を作り出すなど絶滅を防ぐ取り組みを進めることにしています。
西川教授によりますと「スライゴオオサンショウウオ」は原産地の中国ではすでに絶滅したと考えられるということで、「ほかの水族館や動物園、日本以外でも飼育されている可能性があるので、残ってる個体がいないか探していきたい」と話しています。
研究チームは今後、保管されているメスの細胞を使って、クローン個体を作り出すなどして絶滅を防ぐ取り組みを進めることにしています。
飼育スタッフ「信じられない 研究や調査に協力する」
「スライゴオオサンショウウオ」は東京 池袋のサンシャイン水族館のバックヤードで飼育されていて、通常は公開されていないということです。
飼育スタッフの先山広輝さんによりますと、この個体は1989年に輸入され、1999年から25年にわたり水族館で飼育されてきたということで、現在の大きさは1メートル25センチほどです。
2006年に入社した自分よりも7年“先輩”にあたる「スライゴオオサンショウウオ」について先山さんは、「ふだんはおとなしくじっとしていますが、魚などの餌を食べるときは素早く一気飲みするような生き物なので、そのギャップとかもおもしろいです」と説明したうえで、「入社当初は餌やりも担当していたので、貴重な種だとわかり驚きとともに信じられないというのが正直な気持ちです。さまざまな研究や調査を進める話も出てきているので、積極的に協力していきたい」と話していました。