卓球団体世界選手権 女子日本代表 準優勝 中国と接戦も敗れる(2024年2月25日『NHKニュース』)

 

韓国で開かれている卓球、団体の世界選手権、女子の決勝で日本は大会5連覇中の中国と対戦し、最終第5試合にまでもつれる接戦のすえ2対3で敗れ、5大会連続の準優勝となりました。

韓国のプサンで行われている卓球、団体の世界選手権、すでにパリオリンピックの団体とシングルスの出場権を獲得している世界ランキング2位の日本は、決勝で、世界1位で大会5連覇中の中国と対戦しました。
日本は第1試合、15歳の張本美和選手がシングルス世界1位の孫頴莎選手と対戦し、強烈なショットに苦しめられて0対3でストレート負けしました。
第2試合はエースの早田ひな選手が出場し、東京オリンピックの金メダリストで世界3位の陳夢選手を相手に第1ゲームを奪われますが、得意のフォアハンドと強化してきたバックハンドで3ゲームを連続で取り、逆転勝ちしました。

第3試合は平野美宇選手でシングルス世界2位の王芸迪選手と対戦し、得意のテンポの速い攻撃に加え勝負どころのラリーも制し、ストレート勝ちしました。

第4試合は早田選手が相手の孫選手の強烈なフォアハンドとコースをつく的確なショットに苦しみ、ストレート負けで追いつかれました。

そして最終第5試合は張本選手が陳選手と対戦し、得意のバックハンドを軸とした力強いショットで、第1ゲームを取りましたが、その後は相手の多彩なサーブや厳しいコースを突くショットに3ゲーム連続で奪われ、ゲームカウント1対3で敗れました。

日本は、急成長している15歳の張本選手をはじめ、パリオリンピックの代表に内定している3人が持てる力を発揮しましたが、またしても中国の壁に阻まれて2対3で敗れ、5大会連続の準優勝となりました。

早田「自信をつけてこれからも頑張りたい」

試合後、エースの早田ひな選手は、「中国を相手にここまで競った試合ができたのは自分たちの成長かなと思う。東京オリンピックの金メダリストの陳夢選手に大舞台で勝ててひとつの壁を越えることができたので、自信をつけてこれからも頑張りたい。ここから中国に対してより厳しい戦いが続くと思うが団体でも壁を越えられるように頑張りたい」と話していました。
平野美宇選手は「これまで経験したなかで初めて中国を相手に2対2で最後の試合までまわすことができ、本当にこのチームで戦えてよかったし、みんなで頑張った結果だと思う。今までは、どこかで負けてもしょうがないという気持ちがあったが、今回、こんなに悔しいのはみんな初めてだと思うので、オリンピックで借りを返せるようにこれから頑張っていきたい」とリベンジを誓っていました。
今大会が初めての世界選手権となった15歳の張本美和選手は、「第1試合で負けたあと、よい形で5試合目にまわしてもらったが、最後は負けてしまって本当に今は悔しい気持ちだ。今回、たくさんの試合に出場させてもらえて多くの経験を積むことができたが、今は悔しい気持ちがいっぱいなので、ただただ頑張るだけかなと思う」と話していました。

卓球女子団体では中国が壁

個人戦団体戦が1年おきに交互に行われる卓球の世界選手権。
団体で過去6回優勝している日本の女子が最後に優勝したのは1971年に名古屋市で開催された第31回大会でこの時も中国が決勝の相手でした。
このあと何度も中国の壁に跳ね返され、特に直近の4大会はいずれも決勝で敗れて準優勝に終わっていました。
オリンピックでは団体戦が採用された2008年の北京大会から中国が4連覇。
ロンドン大会と3年前の東京大会では、日本は決勝で敗れ、銀メダルでした。
東京オリンピックでは混合ダブルスで水谷隼さんと伊藤美誠選手のペアが過去4回対戦して1回も勝ったことがなかった中国ペアを破り、日本卓球界初の金メダルを獲得しましたが、団体では世界ランキング1位を不動とする中国が大きな壁になっていました。