使用済み核燃料からリサイクル可能なプルトニウムなどを抽出した後の廃液が「核のごみ」。ガラス状に固めてステンレス製の容器に収め、地下300メートルより深い岩盤層に閉じ込める「地層処分」が法律で定められている。放射能が衰えるまでには、数万年単位の厳重な管理が必要とされる。
候補地選定に向けた調査は、論文やデータに基づく文献調査▽地面を掘って地層を調べる「概要調査」▽地下に施設を造って行う「精密調査」-の3段階。
例えば神恵内沖には、南北約70キロの海底活断層が存在するとの指摘がある。しかし、NUMOは「候補地からの除外基準に当たるかどうかは、文献からは判断できない」と調査の進行を急ぐ。
昨年10月、地球科学の専門家有志約300人が処分地の選定を巡り「(国内で)地震の影響を受けない安定した場所を選ぶのは不可能」との声明を出した。
調査を次に進めることに固執せず、地中深くに埋める最終処分の在り方自体を根本的に見直すことも考えるべきではないか。