上智大学教授の丸山桂氏は毎日新聞政治プレミアの取材に応じた。
丸山氏は、「共働き世帯が専業主婦世帯より多くなったといいますが、共働きの中身を見る必要があります。フルタイムで働く女性も増えてはいるのですが、より増えているのは短時間労働の女性です」と指摘。
「共働きをするには、どちらかが働く時間を減らして、家事・育児をしなければならない現実があります。それを女性が担わされています。だから、『主婦のパート』が女性の働き方になっているのです」と言う。
そのうえで、現役時代に短時間労働だった女性が高齢になった場合について、「夫の収入、年金があってはじめて生活が成り立つということです。しかも、夫婦2人とも元気で、介護も不要で、離婚や死別で1人になることもない家族がモデル年金です。どれかが欠けると貧困のリスクが高まります」とする。
第3号被保険者制度(会社員や公務員など厚生年金の加入者である第2号被保険者に扶養されている配偶者。3号)についても、「3号は守られているようにみえて、離婚したり、夫が病気になったりすると、たちまち困窮します。老後の保障が夫任せになっているから、万が一の際のリスクが高くなります」と語った。