3月に知事選挙を控える熊本で、自民党県議らの肝を冷やす“告発”が浮上している。
「増永先生と私は5年ほど不倫関係でした。増永先生の私への不誠実な対応に加えて、自民党の裏金問題が取り沙汰されるなか、県知事選では自民党推薦の候補が有力視されており、“賭けゴルフ”をやるような意識の議員がいまだ幅を利かせていることへの疑問があり告発することにしました」
シングルマザーのAさんと妻子がいる増永氏の不倫関係は、2018年8月に始まったという。
「2020年6月頃に離婚届を妻に渡したと言っていましたが、正月に奥さんの実家に行ったと聞き、怒った私が自宅の奥さんに『ちゃんと話し合ってください』と電話したことも。結局、離婚届は渡していませんでした。
私が激高して攻撃的になるところがあったので増永先生からは精神科医を紹介されたこともあります。でも昨年4月の統一地方選前には〈令和5年8月15日までに離婚します〉という念書をもらいました」(Aさん)
しかし約束は守られず、同年8月にAさんは念書を増永氏の自宅にFAXで送ったという。すると増永氏が県警にストーカー行為の被害届を出し、Aさんには昨年11月に接触の禁止命令が出た。
「賭けてたの?」「いつもよ」
Aさんが本誌に提供した増永氏からのLINE画像には、自民党県議らでゴルフをしているメンバーの名前やスコア、〈俺は75で合計6000円の勝ち!!〉といった内容が書かれていた。Aさんの〈賭けてたの!?〉との問いに、〈いつもよ〉〈必ず〉〈6000円の負けね〉と返事するくだりもあった。コンペの順位名簿に手書きで金額とみられる数字を書き込んだものの写真もある。
「私も県議の先生方とラウンドした際に、クラブハウスで現金のやり取りを目撃したこともあるので、少額ですが賭けゴルフをしたと思っています。ゴルフには熊本選出の国会議員の松村祥史さん(防災担当相・国家公安委員長)が参加したこともあったようです」(同前)
2020年9月21日、ゴルフコンペに参加する増永氏からA子さんへのLINEには、9人の自民党県議と松村氏の名字が記載されていた。その日のやり取りでは増永氏が自身について〈臨時収入〉〈賭けの勝ち分14000円〉とする言葉があり、松村氏が金銭を賭けたような記述はなかった。
参加者として名前が出た松村氏の事務所に問い合わせたが、期日までに回答はなかった。
増永氏を直撃すると、Aさんとの不倫関係や念書、LINEについては認めつつ、こう語った。 「ゴルフはしましたが賭けゴルフはやってません。お金の受け渡しはしていないので。(離婚の)念書を書いたのは間違いありませんが、あの時は選挙前で書かなきゃいけない背景があったという……すみません、あとは想像してください。家族はみんな知っています。攻撃されているのは私のほうで、社会的制裁も受けています。メディアや役所、選挙区にも情報を流されて立場的に非常に苦労しています。もう私も同罪ということで、Aさんの禁止命令については明日(2月15日)取り下げるために動いています」
後味の悪いホールアウトとなった。
※週刊ポスト2024年3月1日号