防衛省がうるま市に計画している陸上自衛隊の訓練施設。住宅街に近く、教育施設に隣り合う場所になぜ建設するのか、地域の人たちは疑問や怒りを募らせています。
新たな自衛隊訓練施設の計画へ住民らは不信感 事前説明を覆してきた政府の姿勢
■「受ける影響が計り知れない」
自衛隊配備賛成派も新施設はNO 5年ほど前に廃業したゴルフ場。住宅地から道路を隔てて10メートルあまりのこの場所に、防衛省は自衛隊の新たな訓練場を建設しようと計画しています。 旭区民 安田公さん 「せめて1つの商業施設であれば、ある程度の経済効果も出るでしょうから、そういった所で活用してもらったらよかったなというのはありますね」 ゴルフ場跡地を抱える・うるま市旭区に住む安田公さん。沖縄への自衛隊配備に賛成の立場ですが、住宅地に近いこの場所に訓練場を造ることに強く反対しています。 旭区民 安田公さん 「受ける影響が計り知れない。想像ばっかりまわったけど、やっぱり怖いよね」 安田さんの住む旭区は、かつては原野でした。
しかし昭和の終わりに宅地改良され新興住宅街に。現在は1000世帯、およそ2000人が暮らしています。 移り住んだ人たちは『若いまちだからこそ、住みやすい故郷にしよう』と地域づくりにも取り組んできました。 旭区民 安田公さん 「ちなみに昭和の末期にみんながここに引っ越してきたとはいえね、みんながこうやってつくりあげたまちだから。なぜここかなんですよ。すでに平穏な生活環境が定着しているこのまちにね」 近接するのは、住宅街だけではありません。
■学び舎も近く、ヘリ発着など訓練内容へ不安も
石川青少年の家 所長 石原昌二さん 「この棟が宿泊棟、子どもたちが寝泊まりする所。この草むらが全てゴルフ場になっている」 ゴルフ場跡地のすぐ隣、県立石川青少年の家で所長を務める石原昌二さんです。跡地との距離は最も近い所でわずか15メートルしか離れていないため、施設を利用する人達への影響を懸念しています。 およそ50年前に開所した石川青少年の家。石川岳に抱かれた自然豊かな場所は、開所以来、「学びの場」として多くの人に愛されてきました。