山形市の山形済生病院で2021年1月~22年4月、整形外科の手術中に、臨床工学技士が患者の皮膚の縫合を行っていたことがわかった。医師法は医師免許のない者による医療行為を禁じている。同市保健所は昨年12月に立ち入り検査し、事実関係を確認した。 【グラフ】医療事故発生報告件数の推移…低調傾向続く
石井政次院長によると、臨床工学技士は21年1月~22年4月、医療機器の操作のため十数件の手術に参加。そのうち執刀医の指導のもと、皮膚の縫合を複数回行ったという。健康被害は確認されていない。病院は、手術を受けた患者全員に事情を説明した。
縫合を行った臨床工学技士は、医師の負担軽減のための業務分担と理解し、医師法に違反する行為との認識はなかったという。
同院は22年4月に問題を把握した。石井院長は18日、取材に対し、「コンプライアンスを徹底するよう、全職員に通達した。今後の管理を徹底したい」と話した。
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山形済生病院 保健所が去年立ち入り検査 医師以外が皮膚縫合で(2024年2月18日『NHKニュース』)
山形市にある山形済生病院でおととしまでの1年余りにわたり、医師以外の医療従事者が手術中に患者の皮膚の一部を縫合していたことについて、病院が去年、山形市保健所の立ち入り検査を受けていたことが関係者への取材でわかりました。
山形市沖町にある山形済生病院は2021年1月からおととし4月にかけて、「医師以外の医療従事者が手術中に医師の指導のもと、皮膚の縫合の一部を行っていた」と17日、発表しました。
これについて、去年12月、病院が山形市保健所の立ち入り検査を受けていたことが病院関係者などへの取材でわかりました。
保健所は立ち入り検査を通じ、医療の安全管理体制に問題がなかったかを調べています。
病院は当事者を処分した上で、職員に対し、適切な範囲で業務を行うよう指導したほか、「患者への身体的な影響はなかった」と説明しています。
山形済生病院は取材に対し、「立ち入り検査を受けたことは間違いないが、検査結果を待っているので詳しく話すことができない」としています。
このニュースはNHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に寄せられた情報をもとに取材しました。