対象は、医師が処方する全ての医薬品。厚労省は〈1〉製品名〈2〉企業名〈3〉代替できる薬〈4〉改善が見込まれる時期〈5〉企業の問い合わせ窓口――などの情報について、企業から報告を受ける。製薬企業が供給を停止したり、注文に応じきれずに限定出荷にしたりした製品が即時に分かるようになる。
また、抗菌薬や免疫抑制剤など、不足すると病院などの医療現場に大きな影響が出る薬については、半年以内に供給不足が起きる恐れがあると企業が判断した場合に、報告させる。厚労省は生産量や在庫量などを迅速に把握し、代替薬を扱う他の会社に増産を依頼するなどの対策をとる。
薬の供給不足は2020年末以降、ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーによる不祥事が相次ぎ、業務停止命令などで生産量が減少したことが引き金となった。日本製薬団体連合会(日薬連)の調査では、供給停止や限定出荷となった医薬品は、1月末時点で4629品目。処方薬全体の25・9%で、毎月調査を始めた昨年4月以降で最も高い水準になっている。
日薬連は毎月1回、供給状況を発表しているが、医療現場からは「情報が遅く、代替品の準備が間に合わない」などの声が出ていた。