瞳は雄弁…岸田首相「政治とカネ」野党追及に“秒速”で目のパチパチが止まらない(2024年2月16日『日刊ゲンダイ』)

 
なぜニヤニヤ?(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
なぜニヤニヤ?(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
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岸田首相「政治とカネ」集中審議で“説明責任”連発もやる気ゼロ…《質問の意味を理解している?》とツッコミ 岸田政権下で日本の国力がどんどん落ちる…“言うだけ番長”が国会で連日火だるまの必然 高市早苗氏“後から鉄砲”の本領また発揮 岸田首相に「万博延期」進言に透ける本当の狙い

 自民党派閥の裏金事件をめぐる国会論戦がちっとも深まらない。

 岸田首相も出席した14日の衆院予算委員会の集中審議。「政治とカネ」をテーマに実施されるのは、今国会で2回目だ。野党が代わる代わる裏金事件の実態解明を求めたものの、岸田首相は「説明責任を果たすよう促している」の一点張り。不毛な7時間だったが、岸田首相の脳内がチラ見えした。

■政倫審と総裁選

 

 野党側トップバッターとして質問に立った立憲民主党山井和則議員は、持ち時間30分をフルに使い、政治倫理審査会への二階元幹事長と安倍派幹部の出席を要求。政倫審の野党メンバーは前日、自民党田中和徳会長に正式に申し入れており、あとは岸田首相の号令ひとつだからだ。

「決断しないのは自民党、岸田総理が決断しない限り実現しない。止めているのは岸田総理ですよ」「この場で自民党として、安倍派幹部や二階議員に政倫審出席を促すと明言してください」と求める山井氏。「党として説明責任を果たすよう促して参りましたし、これからも促して参ります」とかわす岸田首相。こんなやりとりを15往復も繰り返した。

 言質を取らせない防衛ラインを死守するため、岸田首相はゼロ回答をリピート。後半にはニヤニヤする余裕すら見せていたが、業を煮やした山井氏からこう突っ込まれると、秒速で目をパチパチパチパチパチパチ……。

「岸田総理は総裁選のことを考えておられるんですか。二階議員や安倍派幹部に(政倫審に出席するよう)言ったら、9月の総裁選で安倍派は応援してくれないかナー、二階派を敵に回すと総裁続投無理かナー。脱派閥とおっしゃる総理が、いちばん派閥の論理で動いているんじゃないですか」

 一般に、まばたきの急増はストレスなどに伴う緊張が原因とされる。痛いところを突かれたのか

「岸田総理の総裁再選に向けた本気度は、かつてないほど高まっています。派閥解消で政権基盤は弱まったものの、三頭政治で影響力を誇示してきた麻生派と茂木派も弱体化した。ポスト岸田に色気を見せる面々も決め手に欠ける。総すくみが政権に妙な安定感をもたらしているため、『行くところまで行くぞ』と気を強く持っているようです」(官邸事情通)

 内閣支持率は政権維持の「危険水域」を深掘りし、自民党の支持率もダダ下がり。誰が言ったか知らないが、まさに「岸田一狂」だ。

「4.28衆院3補選は不戦敗の見通しの長崎3区も含め、全敗もあり得る。能天気な岸田首相が謳歌している我が世の春は、この春に終わるかもしれません」(政治評論家・野上忠興氏)

 春は別れの季節だ。