自民党は13日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党所属の全国会議員らを対象に実施したアンケートの結果を公表した。政治資金収支報告書への不記載や誤記載があったのは85人で、2018〜22年の5年間の不記載・誤記載の総額は5億7949万円だった。だが、アンケートには裏金の使途や事件が発生した経緯などを尋ねる設問はなく、真相解明には程遠い内容で、野党は「やったふり」などと批判を強めている。(井上峻輔)
◆「自民執行部はやったふり、裏金議員は答えたふり」
5年間の不記載額は、二階俊博元幹事長(二階派)が3526万円で最多。三ツ林裕巳衆院議員(安倍派)が2954万円、萩生田光一前政調会長(同)が2728万円と続いた。東京地検特捜部に立件され、自民を除名された池田佳隆衆院議員や、自民を離党した大野泰正参院議員、谷川弥一前衆院議員は対象になっていない。
アンケートは、記載漏れの有無、18〜22年の不記載額の2問のみで、裏金の使い道や不記載の経緯などは尋ねていない。この日公表したアンケート結果には、経緯について「一部の派閥が収支報告書に記載しないよう、議員事務所に指導していた」との記述があるが、すでに安倍派議員らが釈明している内容と同じだ。
自民はアンケートと並行して、不記載があった85人と、八つの派閥・グループの責任者への聞き取り調査を実施。週内の結果公表を目指している。