高裁段階は全て違憲判決 根拠条文は判断分かれる―同性婚訴訟(2024年12月14日『時事通信』)

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 同性婚を巡る訴訟で、福岡高裁は札幌、東京両高裁に続いて現行規定を違憲と判断した。地裁段階では合憲や違憲状態とする判決もあったが、高裁段階ではこれまで全て違憲判決が下されたことになる。
 地裁段階では札幌地裁と名古屋地裁が、法の下の平等を定めた憲法14条に反するなどとして違憲と判断。東京地裁の2件と福岡地裁は「婚姻に関する法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」とする憲法24条2項に照らし違憲状態とした。大阪地裁は合憲判断だった。
 これに対し3月の札幌高裁は、法の下の平等に加え、「同性婚が認められないことで、個人の尊厳を成す人格が損なわれている」として、婚姻の自由を定めた憲法24条1項にも反すると踏み込んだ。
 10月の東京高裁判決は、婚姻の自由については判断しなかったが、現行規定が同性カップルの法的身分を定めていないことに対し「合理的な根拠に基づかず、性的指向により差別的な取り扱いをしている」と指摘。法の下の平等などに反するとした。
 今回の福岡高裁判決は、地高裁を通じて初めて「幸福追求権」を定めた憲法13条に違反すると判断。法の下の平等などにも反しているとした。