「あっ! こんなところにオスカルが」
千葉県柏市は、今も絶大な人気を誇る名作漫画「ベルサイユのばら」の主人公オスカルとマリー・アントワネットをデザインした3種類のマンホールのふたを製作し、今月、市内に設置する。同作の登場人物が描かれたマンホールのふたは全国初。太田和美市長は「多くのベルばらファンに柏に足を運んでもらいたい」と”ベルばらの街”をアピールする。
オスカルとマリー・アントワネットがデザインされたマンホールふた(手前)を紹介する太田和美市長=10月16日、千葉県柏市役所で(林容史撮影)
市制施行70周年を記念した事業の一つ。ベルばらの作者の池田理代子さんは市立柏二中で学び、青春時代を市内ですごした。20代半ばに柏でベルばらを創作したことから、市は昨夏、池田さん側にデザインの使用を打診した。
マンホールのふたは鋳鉄製で直径約60センチ。2種類は、溶かした金属を型に流し込み、アクリル染料で色付けした。もう1種類は、ゴム製のデザインプレートを取り付けた。製作費は計約80万円。池田さんが、15年間のデザイン使用を格安で許可した。
設置場所は、オスカルの図柄は柏神社前、マリー・アントワネットは三協フロンテア柏スタジアム隣の日立台公園前、2人そろった図柄は柏高島屋前。いずれも今月15日までにお目見えする。マリー・アントワネットは、コミックス第1巻の表紙の絵を採用した。
来年4月ごろ、このうち1種類の図柄のマンホールカードを作製し、無料で配布する。
太田市長は「小中学生の頃、ずっとテレビアニメを見ていた。あの主題歌が聞こえてくるよう」と懐かしみ、「使用を快諾してくださった池田先生に心から感謝している」と述べた。推しは、もちろんオスカル。
池田さんは「なんと柏市内で5カ所も引っ越しをしています。両親が存命であったら、きっと喜んで面白がってくれたと思います」とコメントを寄せている。(林容史)
ベルサイユのばら 1972年に週刊マーガレット(集英社)で連載が始まり、今も愛読されている漫画。ブルボン朝後期、フランス革命を生きた男装の麗人オスカル、フランス王妃マリー・アントワネットらの激しい人生を描いている。宝塚歌劇団が舞台化したのをはじめ、1970年代にはテレビアニメなどが制作された。2025年1月31日に劇場版アニメが公開予定。