障害ある作家が絵を描いたポーチ、ジャズ奏者・坂田明さんの演奏会で販売 仙台で12日(2024年11月10日『河北新報』)

 日本ジャズ界を代表するサックス奏者坂田明さんの演奏会が12日に仙台市で開かれるのに合わせ、会場で障害者就労支援事業所の多夢多夢舎中山工房(仙台市青葉区)の作家によるポーチを販売する。売り上げは全額、9月の能登半島豪雨の義援金に充てる。関係者は演奏会が被災地支援と障害者の収益の向上につながることを期待する。

アート性の高いポーチ。作家たちが思い思いに描いた模様やイラストが素材になっている

能登豪雨被災地に売り上げを全額寄付

 ポーチの材料は、農家からもらった使用済みのコメ袋。丈夫で彩色しやすいという。10人前後の作家がそれぞれの感性で写真を見てイラストを描いたり、模様を飾ったりしたものを表はラミネート加工、内側は布を張り、縫製している。

 作家たちは、事業所で就労や生活などの支援を受けながら創作活動に取り組む。演奏会のチラシのイラストも工房の中島敏也さん(41)が描いた。

 工房はカフェを併設し、ポーチをはじめとする商品を販売している。管理者でアートディレクターの沼崎マイコさんは「みんなが描いた絵を知ってほしい。さらに絵を描いた人に会いに来たり、他の商品を見に来たりしてもらえるとうれしい」と話す。

 今回はNPO法人みやぎセルプ協働受注センター(太白区)が障害者の仕事の開拓と受注を担う業務の一環で、坂田さんの演奏会とマッチングした。演奏会の主催者がポーチを購入し、会場で販売する。サイズが3種類あり、価格は小1320円、中1760円、大2200円。

 センターの横山英子副会長は「坂田さんは音楽を通じて、さまざまな人たちの支援活動をしている。演奏会では音楽を楽しむと同時に、アートの魅力あふれるポーチをぜひ手に取ってほしい」と話す。

 会場は仙台市青葉区のライブハウスマカナ。「ARASHI JAPAN TOUR 2024 in SENDAI」と題し、坂田さんとベース、ドラム奏者がセッションする。

 午後7時開演。入場料は前売り4500円(当日5000円)。連絡先は、あとりえ横山eccochan@wmail.plala.or.jp