島根県出雲市を拠点に活動している女子サッカーなでしこリーグ2部の「ディオッサ出雲FC」に所属するブラジル人選手2人が、6日会見し、監督とコーチに入団当初からセクハラやパワハラを受けたと訴えると共に、日本女子サッカーリーグに通報したと明らかにしました。
会見や日本女子サッカーリーグに提出された告発文によりますと、2人には通訳を付けることが契約上、義務付けられていたにも関わらず、実際には週1回程度に留まり、日本語の指示が分からず戸惑う2人を監督やコーチらが嘲笑したり、入団当初から性的なポルトガル語で侮辱したりしたということです。
監督については、練習や試合でミスをすると「男性器」「精子」を意味する性的な言葉などで叱責されたていたということです。
また、日本サッカー協会が暴力や差別の排除を目指してクラブに設置させているウェルフェアオフィサーが今年5月監督と話し合った際には、監督から、チームの理事長に直訴するなら2人を「オレ、使わないよってなっちゃう」と試合に起用しない意思を示すパワハラ発言をしたということです。
さらにコーチについては、通訳がおらず日本語の指示を理解できない2人に対し、「こいつら、分かってんの?」と嘲笑したり、舌打ちするなどの行為があったとしています。
また、ウェルフェアオフィサーや代理人弁護士を通じた要請にクラブは、解決の先延ばしを繰り返して2人は今シーズンの試合復帰が適わず、他の選手らへの説明もなされていないということです。
このためクラブの自浄作用には任せられないとしてなでしこリーグへの告発を決めたとしています。
一方、ディオッサ出雲FCを運営する特定非営利活動法人ディオッサスポーツクラブも6日急きょ会見を開きました。
ディオッサスポーツクラブ担当者
「選手起用に関する脅し、性的発言に関しては、クラブの弁護士によって調査でお答えできません」
としつつも、クラブの調査に監督はセクハラ発言はなかったと答えているということです。
ディオッサスポーツクラブ担当者
「きょう時点では今回申し出があった該当する者は見受けられなかった。」
Q:言っていないと言っている?
「そうです」
また、起用に関する発言については誰に対してどういう意図で言ったものか調査が必要としています。
通訳の帯同については責任を認めたチーム側ですが、チーム単独の調査ではセクハラ発言などは認められなかったとしていて、現在リーグによる再調査を行っているということです。
真っ向から対立する選手側とチーム側の主張。どちらの主張が正しいのか、リーグによる調査結果が待たれます。