衆院選が公示され、街頭演説に耳を傾ける人ら=都内で
小選挙区289議席と全国11ブロックの比例代表176議席の計465議席を争う。自公で過半数(233議席)を確保できるかが焦点。立候補者は1344人で内訳は小選挙区1113人、比例単独231人。女性は過去最多だった09年の229人を上回る314人。小選挙区定数「10増10減」などを受けた新区割りで初めて実施される。
◆自民党
◆公明党
◆共産党
◆国民民主党
◆れいわ新選組
◆社民党
◆参政党
派閥裏金事件 自民党の派閥で議員側がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分を政治資金収支報告書に記載していなかったとされる政治資金規正法違反事件。東京地検特捜部は1月、安倍派の会計責任者や受領額の多い議員ら計10人を立件した。麻生派以外は解散方針を決め、一部は既に解散した。自民党は4月、関係した議員ら39人を処分。不記載額が500万円未満の議員ら45人は幹事長注意となった。
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◆「包容力」取り戻す選挙に【政治部長・関口克己】
政治報道に関わってきた20年弱の間、部員や家族との会話でも、国会議員を呼び捨てにしないよう努めてきた。どんなに批判をされているような議員でも、国民の負託を受けた「国民の代表者」(憲法前文)であることへの自分なりのリスペクト(尊敬)があった。
最近、その信条にモヤモヤを感じてしまう。自民党派閥の裏金事件や相次ぐ不祥事で、国民の負託を裏切る議員があまりにも多いからだ。
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
2017年、東京都議選の街頭演説で、当時の安倍晋三首相が聴衆らに向けた言葉だ。政権批判をしていた人たちとはいえ、首相が国民を「こんな人たち」呼ばわりした時、政治から優しさが失われた気がして、がくぜんとしたことは今でも忘れない。
「聞く力」のメッキがはげた首相もいた。裏金をつくる議員が日々の生活に苦しむ国民を向いているとは思えない。裏金議員の多くを公認した石破茂首相は自民党の内輪の論理を守ろうとしているのではないか。こんな政治の劣化を招いた責任は「自民1強」を前に、互いの足を引っ張り合ってきた立憲民主党をはじめとする野党側にもある。
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