谷原章介 袴田さんの無罪確定に「今も死刑確定されている方が百人以上 もしかしたらその中にも冤罪…」(2024年10月9日『スポニチアネックス』)

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 俳優の谷原章介(51)が9日、MCを務めるフジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、無罪とした静岡地裁判決に対し、畝本直美検事総長は8日、控訴しないと表明したことに言及した。
 事件発生から58年、検察は9日に上訴権を放棄する方針で、無罪が確定する。畝本氏は談話で「結果として相当な長期間、法的地位が不安定な状況に置かれた。申し訳なく思う」と謝罪した。最高検は再審請求手続きが長期間に及んだことについて検証する方針。
 10日が控訴期限だった。戦後、死刑事件の再審無罪判決は袴田さんで5例目で、過去4例は検察が控訴せず確定していた。検察側は再審公判で有罪を主張した。畝本氏は談話で、静岡地裁判決が捜査機関による証拠の捏造を認定した点に「強い不満を抱かざるを得ない」とした。一方で袴田さんが長期間、法的地位が不安定な状況に置かれたことを挙げ「熟慮を重ねた結果、検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではないとの判断に至った」と説明した。検事総長が談話を出すのは異例。
 谷原は「ご本人もですし周囲の方、もちろんお姉さんもそうですけれども、やっとホッと安どされたと思います。検事総長の畝本さんのコメントで、いろいろとまだ検察としては訴えたいことがあるけれども袴田さんのことをおもんぱかって長期間、法的に不安定な立場にいてご本人が苦しんでらっしゃることもおもんぱかって今回は控訴しない。なおかつ最後に申し訳なかったという言葉で結んでいるのが胸に残りました」とコメント。
 そして、「これから大事なことは2度といういった冤罪ということを起こさないということ。今も死刑確定されている方って100人以上いらっしゃるわけですよ。もしかしたらその中にも冤罪の方もいらっしゃるかも知れない」と指摘し、「ですから改めて検察としても今回のこの捜査、一連のことを含めて検証すると言っていましたので、きちんとこういったことが2度と起こらないように検証していただきたいと思いますし、いくらこれが無罪確定したといっても、袴田さんの失われた58年は2度と帰ってこないわけですからね」と自身の思いを話した。
 また、「1度有罪、もしくは犯人じゃないかとみられたとしても再審の請求というものがハードルを高くするのではなくて、きちんと改めてもう1回見直すってことを検察としてしても風通しよくやってもらえるような環境を整えてほしいですね」と話した。