高市早苗前経済安全保障担当相=27日午後、党本部(鴨志田拓海撮影)
自民党の派閥パーティー収入不記載事件に関係した議員の公認問題を巡り、石破茂首相(自民総裁)に対する旧安倍派議員らの反発が強まる中、高市早苗前経済安全保障担当相が反石破勢力の〝旗頭〟になる可能性がある。15日に公示される衆院選で、高市氏は党内からの応援演説依頼が殺到しており、全国を飛び回り党内基盤固めを図る。
■主流と非主流にミシン目
高市氏は先月27日の総裁選で党員票トップで、保守派人気を裏付けた。推薦人20人のうち14人を占めた旧安倍派からの期待は今、さらに膨らんでいる。政治資金収支報告書に不記載が確認された旧安倍派などの議員に関し、公認した場合も比例代表との重複立候補を認めないなど厳しい対応を首相が決めたからだ。
旧安倍派の中堅議員は「政権を支えようと思ったがもう無理だ」と漏らした。主流派と非主流派のミシン目が浮き彫りになった党内。「高市氏の出番が早くなる」。側近議員がつぶやいた。
■敵味方応援で仲間づくり
総裁選の決選投票で高市氏を支持し、首相と距離がある大物2人との連携もささやかれる。
「俺も菅(義偉元首相)も長くなかった。石破も(首相在任は)長くないだろう。勉強はしなくていいから仲間を作れ。勉強をしたければ英会話でもやっていろ」