「国宝」追加キャスト一覧(C)吉田修一/朝日新聞出版(C)2025映画「国宝」製作委員会
【モデルプレス=2024/10/08】俳優の吉沢亮が主演を務める映画『国宝』(2025年公開)より、追加キャスト12人が発表された。
主人公・喜久雄(吉沢)を引き取り育てる歌舞伎役者・花井半二郎役に、渡辺謙が決定。「あまりにも壮絶で壮大な物語に『映像化は無理だ』と感じ、腰が浮くのを抑えながら、悩んだすえに決意を固めた」とコメントを寄せた。渡辺演じる花井半二郎は、上方歌舞伎の名門の当主で、大人気の看板役者。任侠の家に生まれた喜久雄の女方としての才能をみいだし、実の息子・俊介(横浜流星)と共に育てる。李監督の『許されざる者』(2013年)、『怒り』(2016年)ではともに主演を務め、監督からの信頼も厚く、本作が李組3度目の参加。主演の吉沢とは初共演となる。
喜久雄の幼馴染で恋人の春江役に高畑充希。吉沢・横浜については「モニターを見た時、その新鮮な世界の美しさに息をのみました。元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの?!って(笑)。私はお2人の1番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間を沢山観られて、幸せです」と語った。高畑演じる福田春江は、喜久雄を追って自身も長崎から上阪し、人気役者になっていく喜久雄と俊介をそばで見守る。李監督とは『怒り』以来、2度目のタッグ。吉沢とは『アオハライド』(2014年)以来、10年ぶりの共演となる。
半二郎の妻で俊介の母・大垣幸子役に寺島しのぶ。自身も人間国宝の父を持ち、誰よりも近くで人間国宝を見てきた寺島は「吉沢亮さんと横浜流星さん、2人の少年時代を演じた黒川想矢くん、越山敬達くんの努力とガッツに脱帽です。今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています」とコメント。寺島演じる大垣幸子は、踊りの師匠でもあり、初めは喜久雄を引き取ることに反対するが、喜久雄の才能に気付き、息子・俊介への愛情ゆえに苦悩する。
喜久雄の人生に大きな影響を与える人間国宝・万菊役に田中泯。世界的なダンサーとして活躍する田中は「数えきれぬ人々の知識と経験が技となり万菊さんの姿が現れる。仰天しました。万菊さんという自分のうちなる異人。伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります」と語った。
◆森七菜、吉沢亮を恋い慕う女性役 見上愛は芸妓役に
喜久雄を恋い慕う歌舞伎役者の娘・彰子役は森七菜。初共演の吉沢亮に対しては「青い炎のように確かな温度を静かに保ち現場に佇む吉沢さんを側で見て、寄り添っていく者としてしっかりしなくてはと自分の背中を正し続ける日々でした」とコメントを寄せた。森は、歌舞伎役者である父親から勘当されてまでも喜久雄と一緒になることを望み、どこまでも喜久雄に寄り添おうとするけなげな女性を演じる。
喜久雄と京都の花街で出会い人生を賭ける芸妓・藤駒役に見上愛。「日本舞踊、三味線、舞妓さんや芸妓さんとしての所作練習に勤しみました。こんなにも贅沢な環境でお芝居ができたことを幸せに思います」と語った。見上は、初めて喜久雄と出会ったその日に、自分の人生を賭ける覚悟を見せる、意志の強い女性を演じる。
喜久雄の父親で立花組組長・立花権五郎役に永瀬正敏。権五郎が抗争によって命を落とすことが、喜久雄の人生を変えることになる。そして喜久雄の継母であり立花権五郎の後妻・立花マツ役には宮澤エマ。権五郎の死後は喜久雄の生みの母親の遺言を守り、堅気にさせるために喜久雄を大阪の花井家に送り出す。
喜久雄の少年時代を演じるのは、黒川想矢。映画初出演となった是枝裕和監督作品『怪物』(2023年)で、第47回日本アカデミー賞新人俳優賞、第66回ブルーリボン賞新人賞を受賞し、第76回カンヌ国際映画祭に参加。観客の心を揺さぶるその迫真の演技は、世界から脚光を浴びた。
喜久雄の親友でライバル・俊介の少年時代を演じるのは、越山敬達。「EBiDAN NEXT」としてのアーティスト活動や「ニコ☆プチ」のメンズモデルとしても注目を集めている越山。テレビドラマ『天狗の台所』(2023年・2024年)ではメインキャストの飯綱オン役を務め、初主演となった映画『ぼくのお日さま』が、第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品、そして第16回TAMA映画祭最優秀作品賞を受賞するなど目覚ましい活躍を見せている。
喜久雄の才能を見込んで初舞台を用意する梅木役は、嶋田久作。嶋田演じる梅木は、歌舞伎の興行を取り仕切る三友の社長。早くから喜久雄の才能を見込み、喜久雄と俊介の初舞台を仕掛ける。歌舞伎界で花開く2人の成長には欠かせない存在の敏腕社長である。
喜久雄とともに時代を生きる竹野役に三浦貴大。三浦演じる竹野哲平は、三友の社員。世襲制の歌舞伎の世界で才能を開花していく喜久雄に対して、複雑な思いを持つが、長い年月をともに過ごし、喜久雄や俊介とともに成長していく、実直な男性を演じる。李組には『許されざる者』、『怒り』、『流浪の月』(2022年)に続く4度目の参加となる。
◆吉沢亮主演「国宝」
2002年「パレード」で山本周五郎賞、「パークライフ」で芥川賞を受賞。2007年「悪人」では、毎日出版文化賞、大佛次郎賞など数々の賞に輝いた吉田修一氏の最高傑作との呼び声高い「国宝」。2017年から朝日新聞にて連載され、歌舞伎界を舞台にした本作は、連載時から話題となり、2018年に単行本化。2019年第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞をダブル受賞し、吉田氏自身が、3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた渾身の作品である。
メガホンをとるのは、『フラガール』(2006年)で日本中を感動の涙で包み、日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞を受賞した李相日監督。初めて吉田作品に挑んだ『悪人』(2010年)は、国内のあらゆる映画賞を総なめにし、第34回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞するなど、海外でも高い評価を得る名作となった。(modelpress編集部)
◆渡辺謙コメント
吉田修一さんの『国宝』出版されて直ぐに読ませて頂いた。役者の心の苦悩、歓喜、そして生き様が赤裸々に描かれていた。ただあまりにも壮絶で壮大な人生は「こりゃ映像化は無理だ」とも感じていました。しばらくして、盟友、李相日監督から連絡を貰うことになる。なんと挑戦したいとの事。腰が浮くのを抑えながら、果たしてこの大作を支えられるか悩みました。でも、これまで数々の難題を乗り越えて来た李監督を信じ、この素晴らしい作品に立ち向かう決意を固めました。
◆高畑充希コメント
本来は大きな空間で、全身で、浴びさせてもらうはずの歌舞伎の世界に、汗や涙も捉えられるような寄りの視点で没入する。モニターを見た時、その新鮮な世界の美しさに息をのみました。元々美しいお2人なのに、これ以上美しくなるの?!って(笑)。私はお2人の1番近くにいつも存在しているキャラクターだったので、間近で貴重な瞬間を沢山観られて、幸せです。そして何より、久々にまた李監督や李組の皆さんと一緒に撮影が出来て、本当に楽しかった!
◆寺島しのぶコメント
『国宝』という吉田修一さんの途轍もない大作に挑戦された李監督の思いを受け取り参加させて頂きました。今まで生きてきた私の環境や、蓄えてきたものを少しでも活かせていれば良いなぁと思っています。吉沢亮さんと横浜流星さん、2人の少年時代を演じた黒川想矢くん、越山敬達くんの努力とガッツに脱帽です。支えてくださる沢山の方の思いが結集されて、素敵な作品になっている事を切に願います。
◆田中泯コメント
万菊さんという人になるために、カラダも心も習う毎日でした。初めてその姿になった時のことでした、数えきれぬ人々の知識と経験が技となり万菊さんの姿が現れる。仰天しました。距離を縮めることのなかった歌舞伎世界の向こう側に、自分はカラダ毎さらわれたのでした。日々自分の声に不安になり、自分の姿に困惑し、一瞬でもいいから、否一寸でも長く先人の魂が自分の体に訪れ、遊んでほしい、と願ったものでした。万菊さんという自分のうちなる異人。伝統から生まれた万菊さんは今や僕のオドリ探求の相談役であります。そして終わってほしくなかった李相日監督の撮影の一コマ一コマが僕のオドリの稽古のようでした。贅沢しました。礼
◆森七菜コメント
はじめて1人で見に行った映画は李監督の映画でした。映画という豊かな時間を映画館で過ごすことの意味を知るという大切な1歩目を踏み出してから、ずっと憧れにしてきた李組に参加させていただけること、とても幸せに思います。現場は緊張と衝撃の繰り返しの毎日で、喜久雄と俊介2人の人生がどれだけ壮大な舞台の上に成り立っているかを痛感しながら、青い炎のように確かな温度を静かに保ち現場に佇む吉沢さんを側で見て、寄り添っていく者としてしっかりしなくてはと自分の背中を正し続ける日々でした。情熱で溢れたこの作品がたくさんの人に届きますように願っております。
◆見上愛コメント
今回の作品に参加するにあたって、日本舞踊、三味線、舞妓さんや芸妓さんとしての所作練習に勤しみました。10代の役と30代の役をひとつの作品の中で演じるのは初めてのことで、かなり不安もありました。ですが、カメラの前に立つ前に過ごしてきた時間や、吉沢さんや監督をはじめとする、周りの皆さんの集中力と誠実さにとても助けられました。こんなにも贅沢な環境でお芝居ができたことを幸せに思います。
◆黒川想矢コメント
初めて国宝のオーディションを受けた時から、僕は絶対に少年喜久雄を演りたいと思い、気づかぬうちにその薄っぺらい覚悟を李監督につらつらと述べていました。しかし撮影準備が進むにつれ、日本の古典芸能である歌舞伎を穢すことなく、少年喜久雄を演じきることへの重みを痛感し、押し潰されそうな日々が続きました。李監督や歌舞伎指導の先生からは演技に向き合う心のあり方を教えていただきました。そして諦めずに辛抱強く見守っていただき、前に進むための新しい心を授けてくださいました。僕にとって、撮影期間は1日1日が重く優しく美しい3ヶ月でした。たぶん僕だけでなく、多くのキャスト、スタッフの皆さんがもがき苦しんで生み出したであろう『国宝』の完成が、今となっては楽しみで仕方ありません!
◆越山敬達コメント
今回、大垣俊介の幼少期を演じました、越山敬達です。李監督のもとでお芝居ができたこと、素晴らしい演者の皆さんと共演できたことをすごく光栄に思います。歌舞伎や大阪弁は初めての体験で難しく、俊介のことで悩むこともありましたが、僕は新しいチャレンジをするのが好きなので充実した時間を過ごすことができました。そして監督やスタッフ、歌舞伎や方言指導の先生方、共演者の方々が最後まで支えてくださったおかげで、無事に撮影を終えることができました。公開されましたら、是非劇場に足を運んでください。
◆永瀬正敏コメント
短い期間での李組初参加でしたが、李監督を中心にスタッフの皆さん、共演者の皆さんの熱く、そしてこだわり抜いた丁寧な現場に身を委ねることが出来て、貴重過ぎる日々を過ごせました。その静かなる熱は、きっと観客の皆さんの心の中に深々と降り積もると信じています。劇中劇、舞台に立たれた俳優の皆さんの、長い時をかけ磨かれた“魂の舞”はまさに必見です。
◆宮澤エマコメント
私の『国宝』との出会いは3年前、本屋で吸い寄せられるように手に取った吉田修一さんのサイン入りの文庫本でした。きっと映像化されるのではないか、李監督がメガホンを取るのかしらと当時妄想を膨らませていたので、マツ役でオファーを頂いた時はこんな事があるのかと信じられませんでした。初めての李組の撮影は緊張と発見と苦悩と感動の日々で、短いながらも贅沢で貴重な時間でした。錚々たるキャスト、スタッフと共にこの壮大な物語の幕開けの一員として参加できたことは心から光栄です。
◆三浦貴大コメント
撮影現場は、まさに職人たちの集まりで、より良い作品を作ろうとする気概に満ちていました。それでいて軽やかさもあり、このような現場に身を置けたことを幸せに思います。竹野という人物を演じる中で、ある意味俯瞰した立場で歌舞伎を、また2人の成長や葛藤を見ていましたが、私自身も素直にその場にいることで竹野の人物像と近づけるのではと思い、意識していました。刺激的で、とても良い緊張感のある現場でした。
◆嶋田久作コメント
李相日監督とは『69 sixty nine』以来21年ぶりでした。頂いた「梅木」という人物は陽性で自分の「仁」にない役柄かとも思いましたが、久しぶりの監督との仕事。自分の狭い視野を離れて、唯唯、監督の意に沿う演技が出来ればとの思いで撮影に臨みました。今思うと、21年分の想いが空回りして力み過ぎの不味い芝居ばかりだった気がします。ともあれ監督の「OK」は頂きました。私は李監督の判断には絶対の信頼を置いています。
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