呉美保監督×吉沢亮主演 耳のきこえない母ときこえる息子の物語 映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024年7月5日『otocoto』)

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映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』 ©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
呉美保監督、吉沢亮主演の映画、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』。この度、本作の本予告映像と本ポスタービジュアルが公開された。
そこのみにて光輝く』の監督・呉美保が、9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのは、コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」。 
脚本を担当したのは、『ゴールド・ボーイ』『正欲』などを手掛ける港岳彦。
 そして、幅広い作品に出演し、2025年には吉田修一原作、李相日監督『国宝』の公開が控える吉沢亮が主演を務める。吉沢は、本作では、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。
さらに吉沢亮演じる五十嵐大のろう者の両親を演じるのは、母・明子役に忍足亜希子、父・陽介役に今井彰人。ろう者俳優として活躍する2人が溢れんばかりの息子への思いを見事に表現する。そのほかユースケ・サンタマリア烏丸せつこ、でんでんなど個性豊かな俳優陣が脇を固める。
この度、そんな本作の予告映像が公開された。久しぶりに帰郷した息子・大(吉沢亮)を駅まで見送る、母・明子(忍足亜希子)。「親父とばあちゃんによろしく」「わかった」
 きこえる息子ときこえない母が交わすのは手話での会話。母の話し方を友達から指摘され、「授業参観に来てほしくなかった」と手話で伝える小学生の大の姿や、高校受験期に自らの苛立ちのまま「こんな家に生まれてきたくなかった」と思わず母にぶつけてしまう本当の気持ちと愕然とする母の表情などが映し出されていく。そして「自分が何をしたいのか考える」と東京に行くことを家族に告げ、故郷から離れた大は、新たな出会いや違う環境の中で改めて“きこえる世界”と“きこえない世界”に生きる自分を見つめなおす。
あわせて公開された本ポスタービジュアルは、ティザーポスターと同様、原作本の表紙を撮影した斎藤陽道が担当した。
映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は、2024年9月20日(金) 全国ロードショー。
otocoto編集部

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解説
そこのみにて光輝く」「きみはいい子」などで国内外から高く評価されてきた呉美保監督が9年ぶりに長編映画のメガホンをとり、作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を映画化。「キングダム」シリーズの吉沢亮が主演を務め、きこえない母ときこえる息子が織りなす物語を繊細なタッチで描く。
宮城県の小さな港町。耳のきこえない両親のもとで愛情を受けて育った五十嵐大にとって、幼い頃は母の“通訳”をすることもふつうの日常だった。しかし成長するとともに、周囲から特別視されることに戸惑いやいら立ちを感じるようになり、母の明るさすら疎ましくなっていく。複雑な心情を持て余したまま20歳になった大は逃げるように上京し、誰も自分の生い立ちを知らない大都会でアルバイト生活を始めるが……。
母役の忍足亜希子や父役の今井彰人をはじめ、ろう者の登場人物にはすべてろう者の俳優を起用。「正欲」の港岳彦が脚本を手がけた( 映画.com)。
2024年製作/105分/G/日本
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年9月20日