朝ドラ『おむすび』キャスト22人を紹介 新ヒロイン・橋本環奈を囲む豪華な顔ぶれ(2024年9月30日『オリコン』)

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連続テレビ小説『おむすび』より(C)NHK
 俳優の橋本環奈が主演を務める、連続テレビ小説『おむすび』(月~土 前8:00 NHK総合 ※土曜日は1週間の振り返り/月~金 前 7:30 NHK BS、BSプレミアム4K)が新たにスタートする。新ヒロイン橋本をはじめ、豪華な共演陣を紹介する。
 橋本環奈が演じる米田結は、『おむすび』の主人公。平成元年生まれ。自然豊かな福岡県・糸島で、農業を営む家族と暮らしている。あることがきっかけで、人々の健康を支える栄養士を志すようになる。
 仲里依紗が演じる米田歩は、主人公・結の8つ年上の姉。福岡で“伝説のギャル”として知られる。奔放な振る舞いで米田家に波乱を巻き起こすが、ギャルになった裏にはある秘密が…。
 北村有起哉が演じる米田聖人は、主人公・結の父。娘のことが心配でしょうがない、真面目な性格。奔放な父の永吉とは言い争うこともしばしば。元理容師。今は糸島で農業にいそしんでいる。
 麻生久美子が演じる米田愛子は、主人公・結の母。結の祖母・佳代と家事をしながら、聖人の営む農業を支えている。絵を描くのが得意。
 松平健が演じる米田永吉は、主人公・結の祖父。野球のホークスファンで、自由奔放な“のぼせもん”。困っている人がいたら放っておけない、情に厚い性格。
 宮崎美子が演じる米田佳代は、主人公・結の祖母。古くから伝わる先人たちの知恵に明るく、結が困った時の良きアドバイザーでもある。
 佐野勇斗が演じる四ツ木翔也は、福岡西高校に野球留学中の高校球児。四ツ木という姓と眼鏡姿から「福西のヨン様」と呼ばれている。糸島に練習場があり、結と時々出くわす。栃木県出身。
 菅生新樹が演じる古賀陽太は、結の幼なじみで高校のクラスメイト。野球部員。父は糸島の漁師だが家業を継ぐ気はなく、IT業界を目指している。ある約束により、結のことを何かと気にかけている。
 松本怜生が演じる風見亮介は、書道部の先輩。結にとって憧れの存在。書道のイメージを一新するような書家を志している。
 中村守里が演じる宮崎恵美は、結のクラスメイトであり、高校での最初の友達。結を熱心に書道部へと誘う。派手なギャルが苦手。
 みりちゃむが演じる真島瑠梨(ルーリー)は、結の姉・歩が結成した「博多ギャル連合」(略してハギャレン)の、現在の総代表。ハギャレンの復興を目指している。
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正直不動産など「夜ドラ」で人気作多数の脚本家・根本ノンジ氏、朝ドラ『おむすび』執筆の苦労明かす(2024年9月30日『Lmaga.jp』)
 
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『おむすび』第1回より、高校に入学し新生活が始まったヒロイン・米田結(橋本環奈)(C)NHK
年号が平成に変わったその日に生まれた主人公・米田結(橋本環奈)がギャル文化と出会い、やがて栄養士として人の心と未来を結んでいく「平成青春グラフィティ」の連続テレビ小説『おむすび』(NHK総合ほか)が9月30日から放送スタート。その脚本を手がける根本ノンジ氏がインタビューに応じ、制作にかける思いを語った。
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思わず二度見!? 橋本環奈のギャル姿
■ 朝ドラは1週間がスペシャルドラマ相当のボリューム
『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ)、『正直不動産』シリーズ(NHK総合)、『監察医 朝顔』シリーズ(フジテレビ)など、「夜ドラマ」で数々の人気作を手がけてきた根本氏。15分×週5日×半年という、「朝ドラ」の特殊な執筆スタイルに対し、どのように取り組んでいるのか。
もともと朝ドラが好きだったという根本氏は、「視聴者としては朝ご飯を食べながら、アハハなんて言いながら観てたんですが、やっぱり自分で書くとなると、この物量が・・・」と語り、こう続ける。
「1週間で75分。普通の連続ドラマ1話の1.5倍以上あるので、毎週がスペシャルドラマ感覚なんですね。これが20週以上続くっていうのは、『いったい誰がこんな企画を考えたんだ』と思います(笑)。でも、とても挑戦しがいのある枠だなと思いながら取り組ませていただいています」。
15分のテンポ感については、「15分ってあっという間に終わっちゃうんですよね。ちょっと台詞の長いシーンを書いたらすぐページ数がかさんでしまうので、どうしようかなと思ってたんですけど、民放の『CMまたぎ』を意識して作っていくと、だんだんできるようになってきました。1週目を書いているあたりでペースはつかめたのではないかと思います」とコメントした。
また、視聴者にとっては未知の世界である「朝ドラの脚本執筆」はどんな工程で進んでいくのかについても明かしてくれた。
根本さんは、「スタッフみんなで構成会議をして、全25週を第1章から第3章まで大きく分け、各章のなかで週ごとの『テーマ』というか『こういうことをやろう』という内容を決めていきます。週ごとの内容が決まったら、そこから『箱書き』(シーンごとにストーリーの要素や展開をまとめたもの)を作り、それをスタッフの皆さんに見てもらって、意見を取り入れて、初稿に入る。初稿が上がったら、また皆さんから客観的な意見をもらって、細かいところを直していく。この『意見をもらって直す』という作業を、二稿、三稿とくりかえしていきます」と、制作工程について語った。
主人公・結を演じる橋本環奈をはじめ出演俳優たちが口々に「キャラが濃い!」と語る本作の登場人物たちについては、「ひとりひとりのキャラクターにつき、かなり分厚い『キャラ表』を作っています」とのことだ。
■ 執筆は折り返し地点を過ぎ、「楽しく書かせていただいています」
長丁場の朝ドラ執筆については、「これまでの集大成・・・と言うのはまだ早いかもしれませんが、昔の自分が作っていたドラマやキャラクターたちが背中を押してくれている感じがして、すごく心強い思いで書いています。それからやはり、朝に放送されるドラマだということを大前提として心がけています。阪神・淡路大震災のエピソードも出てくるので、重いシーンも登場しますが、観てくださった方が不快にならないよう、誰も傷ついてほしくないと願いながら、その時代を生きてた人たちがどういうふうに向き合ってきたのかを、丁寧に描きたいと思って書きました」と根本氏。
現在の進捗状況を聞いてみると、執筆はすでに折り返し地点を過ぎているとのこと。「だんだんスケジュールが詰まってきてはいるのですが、ある箇所が済んだらまたもう一回戻ってプロットを作って共有したり、その都度みんなで話しあう『指差し確認』を必ずやっています。諸々の準備やネタのリサーチを早めにしてもらったり、自分なりにわりと早め早めに手を打ってきたので、いいペースで進んでいるのではないかと思います。いまのところは楽しく書かせていただいています」と、順調なペースで制作が進んでいることを明かした。
台本の仕上がりが早い朝ドラは、そのぶん「練る」「揉む」作業が重ねられるので良い作品になると聞く。制作統括の宇佐川隆史さんは、「根本さんの台本はブラッシュアップを重ねるたびにどんどん磨かれて、『ど真ん中』の王道だけれど、本気が詰まったものになっていく」と語っていた。半年間、『おむすび』の物語を楽しみたい。
取材・文/佐野華英

「おむすび」作者・根本ノンジさん称賛 「橋本環奈さんは笑いの間が完璧」(2024年9月30日『スポニチアネックス』)
 
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連続テレビ小説「おむすび」の米田結(橋本環奈)(C)NHK
 【牧 元一の孤人焦点】俳優の橋本環奈(25)が主演するNHK連続テレビ小説「おむすび」が9月30日にスタートした。作者の根本ノンジさん(55)は橋本の芝居について「笑いの間が完璧」とたたえる。
 初回には主人公の米田結(橋本)が、子供が海に落とした帽子を拾うため海に飛びこんで「うちは朝ドラのヒロインか!」と自分にツッコミを入れる場面があった。
 制作統括の宇佐川隆史さんはこのシーンに関して「唐突だが、結が人を助ける行動は今後に関わることなので、初回に入れた。見て頂く方に、ツッコミも含めて楽しんで頂きたかった」と説明する。
 この作品は平成の時代が舞台。背景に阪神淡路大震災があってシリアスな要素も色濃いが、結の祖父・永吉(松平健)の唯我独尊の言動などコメディー色も際立つ。
 根本さんは「橋本さんに決まる前から結のキャラクターはできていて、橋本さんだから変えたということはない。結の元気な感じ、おいしそうに食べる感じはもともと橋本さんが持っているポテンシャルで、橋本さんは結を見事に演じてくれている」と指摘する。
 その上で、橋本のコメディエンヌぶりについて「素晴らしい。橋本さんとお仕事をさせて頂くのは初めてだが、もともと、キャラ立ちさせるのがとても上手で、コメディーの感覚が優れていると思っていた。ツッコミのセリフのトーンと間、笑いの間が完璧。第1週の本読みに同席した時、橋本さんの見事な間を感じて、この人ならばもっと面白いシーンを入れても大丈夫だと思った。だから、物語にどんどん笑いの部分が増えている感じ」と明かす。
 橋本の起用はオーディションではなくキャスティングで決まった。
 宇佐川さんは「橋本さんの初めての紅白歌合戦の司会(2022年)を見た時、嫉妬した。彼女がいろんな歌手、スーパースターの中で無理なく、しっかり受け止め、一緒に前に進んでいく姿を見て、なぜこれを本業である芝居で先に見せられなかったのだろうと悔しい思いをした。『おむすび』の結は何か優れた能力を持っているわけではなく、周りに祖父や姉などスーパーな人たちがいて、それらを一個人として受け止め吸収しながら頑張っていく。それを演じてもらうことで橋本さんの新しい部分を引き出せるのではないかと思った。今、橋本さんは撮影が大変な時でもマイペースさを崩さず、私たちを引っ張ってくれている」と語る。
 楽しみなのは結の今後だけではない。結の姉で「伝説のギャル」と呼ばれる歩も見どころの一つ。演じるのは仲里依紗(34)だ。
 根本さんは「仲さんは『フルーツ宅配便』(2019年放送のテレビ東京系のドラマ)でご一緒した時、凄い俳優さんだと思った。『伝説のギャル』をやってもらうのは仲さんしかいないだろうと思っていたが、実際、面白い芝居だけではなく、心を震わせる芝居をして頂いていて、頼もしい」と話す。
 結と歩の絡みが待ち遠しい。
 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部専門委員。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。