自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への出馬を表明した林芳正官房長官(63)は10日、国会内で自身の政策に関する記者会見を開き、結婚したくてもできない不本意未婚の解消を目指す考えを示した。岸田文雄政権が掲げた「次元の異なる少子化対策」を基盤に、物価高騰対策や非正規雇用の正規化などに取り組み、子供を安心して育てられる環境づくりを目指す。
林氏は会見で「男性も女性も職場を確保すると同時に、家事や子育てをしっかり両立できるようにしたい」と述べた。育児休業給付のさらなる拡充や子育て中の低所得者への支援強化も打ち出した。
文部科学相の経験を生かした公教育の機能強化にも言及。人工知能(AI)時代の到来を踏まえ、AIに対応できる能力を身に付けてもらう考えを示した。エネルギー分野ではAIの普及で需要増が見込まれるデータセンターと発電所を一体で整備する「ワット・ビット連携」を推進する。
また、新たな成長戦略として期待がかかるアニメやゲームなどコンテンツ産業の振興に向け、クリエイターの職場環境の改善にも意欲を示した。
一方、小泉進次郎元環境相らが労働市場改革の柱として打ち出した解雇規制の緩和に関しては「私は人にやさしい政治を掲げている。不本意な解雇が自由にできるのは果たしてあっていいのか」と疑問を呈した。派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、不記載があった議員の対応について「選挙で国民の審判を受け、戻ってきた方々は適材適所で登用していきたい」とも語った。