林氏は記者会見で官房長官に加え、外相や防衛相、農相などを歴任したことに触れ、「これまでの経験や実績を(役立てずに)そのままにしていいのかという思いに駆られ、出馬を決断した」と説明した。少子化対策、防災・減災、外交・安全保障の「三つの安心」を実現し、人に優しい「仁の政治」を行うと訴えた。
派閥の政治資金規正法違反事件に関与した議員に対し、選挙での公認の是非を検討することに関しては、党が処分済みだとして否定的な考えを示した。
行政改革では、厚生労働省の分割などを念頭に省庁再々編を訴え、自衛隊の根拠規定明記などの憲法改正を3年間の総裁任期中に実現させると強調した。
林氏は2012年の総裁選にも出馬し、21年に参院議員から衆院議員にくら替えした。岸田首相(党総裁)が会長を務めた岸田派(宏池会)でナンバー2の座長を務めた。首相の政策を巡り、「何を引いて何を足していくのか考える」と語り、一定程度を継承する姿勢を見せた。
これまでに総裁選には、小林鷹之・前経済安全保障相(49)、石破茂・元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)が立候補を表明した。茂木敏充幹事長(68)は4日に出馬を表明する。3日の記者会見で総裁選に関し、「経済再生、地方の活力アップに力点を置く。日本は今、内外の厳しい課題に直面しており、実行力が重要だ」と述べた。