◆保守層の支持取り込み狙う?
「(旧姓の通称使用拡大で)ほとんどの不便は解消される」。高市早苗経済安全保障担当相(63)は9日の出馬会見で、自身が作成した旧姓の通称使用に関する法案の成立を優先させる方針を示し、選択的夫婦別姓制度には否定的な考えをにじませた。
高市氏は7月のインターネット番組でも「家族一体とした氏は残したい」と話している。これらの主張には、伝統的家族観にこだわる安倍派などの国会議員や、関連団体から手厚い支援を受けたいという思惑が透ける。
◆「新たな選択肢」経団連は歓迎
一方、小泉進次郎元環境相(43)は9日、経団連の十倉雅和会長らとの懇談後に「別姓を選択したい人に新たな選択肢を用意する社会をつくる」と賛成の立場を記者団に強調した。導入を認める法案提出の方針を経団連側は歓迎したという。
小泉氏は、反対派による「家族の中で名字が違うと絆の崩壊につながる」との指摘に対し、「私自身、両親が離婚して弟や母と名字が違うが、絆は強い」と反論した。
石破茂元幹事長(67)と河野太郎デジタル相(61)も8月の出馬会見で、それぞれ推進の立場を表明。林芳正官房長官(63)や茂木敏充幹事長(68)は「世論の集約が大切」などとして、立場を明確にしていない。