立憲民主党の代表選挙は、9月7日に告示され、届け出順に、野田元総理大臣、枝野前代表、泉代表、吉田晴美氏の4人が立候補を届け出ました。
野党間の連携のあり方や政治改革の今後の方向性などをめぐり、23日の投開票に向けて、選挙戦に入りました。

泉代表の任期満了に伴う立憲民主党の代表選挙は、午前10時から党本部で立候補の受け付けが行われました。

そして、届け出順に野田元総理大臣、枝野前代表、泉代表、吉田晴美氏の4人の陣営が立候補に必要な20人以上の推薦人の名簿を添えて届け出を済ませ、23日の臨時党大会での投開票に向けて選挙戦がスタートしました。

江田・元代表代行と一本化の協議を続けていた吉田氏は締め切り時間の間際に立候補を届け出ました。

選挙戦では、衆議院選挙に向けた野党間の連携のあり方や、自民党の派閥の政治資金問題を受けた政治改革の具体策などをめぐり論戦が交わされる見通しです。

今回は、12日に告示される自民党の総裁選挙に対抗して政策論議をアピールしようと、告示から投開票までの期間は、党の代表選挙の規則上、最長となる17日間になります。

代表選 共同記者会見

 

4人は、立候補を届け出たあと、午前11時から共同記者会見に臨みました。

野田氏「ほかの野党と連携しうみを出し切る」

野田元総理大臣は「信なくば立たずという政治状況に強い危機感を抱いている。『裏金』のような問題がまかり通っている政治に決別するため、政治改革を進めなければならない。ほかの野党と連携しうみを出し切る先頭に立つ」と述べました。

枝野氏「政治改革の道筋 日本経済のビジョン示す」

枝野前代表は「日本は今、大きな分岐点に立っている。アベノミクスが限界を迎え、経済の危機に直面している。自民党の『裏金事件』でかつてないほど高まった政治不信による政治の危機もある。政治改革の道筋と日本経済や社会のビジョンを示し、国民の期待に応えていく」と述べました。

泉氏「自民は政権から退場を 新しい政権つくろう」

泉代表は「私たちは批判ばかりでも反対ばかりでもなく建設的に政策をつくってきた。私が代表の3年間は、政権を担える立憲民主党にしたいという一心で歩んできた。自民党はやはり政権から退場してもらわなければならず一緒に新しい政権をつくろう」と述べました。

吉田氏「慣習にとらわれない等身大の政治を」

吉田晴美氏は「私がつくりたい政治の形は、これまでの政治の慣習にとらわれない、等身大の政治だ。これまでの代表選挙の常識も変えていきたい。教育と経済を掛け合わせることこそが国民生活の底上げになるという好循環を訴えていく」と述べました。

候補者の動き プロフィール 横顔

4人の立候補者は、支援する議員らと連携を確認したり、記者団の取材に応じたりしました。
届け出の前後の動きとプロフィール、横顔です。

野田氏 記者団の取材に応じる「『政権交代前夜』の代表選」

 

野田元総理大臣は議員会館の事務所で記者団に対し「英気を養ってスタミナを保って17日間戦い抜き、爽やかに痛快に同志たちと論戦していきたい。

政権交代前夜』という位置づけの代表選挙で、衆議院の解散・総選挙を意識した、政権をとりにいくための、心合わせ、力あわせの場だと思う」と述べました。

その上で「政治をただすことは自民党ではできず『うみ』を出すのはわれわれの役割だということを強調していきたい。代表選挙で議論されたことが、自民党の総裁選挙ではどうなるのかというふうにアジェンダを逆に作り、主導していくような展開をぜひ作っていきたい」と述べました。

野田佳彦氏 プロフィール

 

野田佳彦氏は衆議院千葉4区選出の当選9回で、67歳。

松下政経塾出身で、千葉県議会議員を経て1993年の衆議院選挙に当時の日本新党から立候補して初当選しました。

2011年に民主党政権として3人目となる総理大臣に就任し、よくとしには、消費税率の引き上げを含む社会保障と税の一体改革の関連法を成立させましたが、直後の衆議院選挙で敗北し、政権を失いました。

その後、無所属などを経て、4年前の2020年に立憲民主党に参加しました。

おととし・2022年には、亡くなった安倍元総理大臣の追悼演説を行い、「再びこの議場で、あなたと魂と魂をぶつけ合う真剣勝負を戦いたかった。勝ちっ放しはないでしょう」と呼びかけ、与野党からは名演説だったと称賛が相次ぎました。

今回の代表選挙では、当初は「『昔の名前で出てます』ではいけない」などとして立候補に慎重な姿勢を示していましたが、ベテランの小沢一郎衆議院議員からの期待に加え、中堅・若手議員などから要請が相次いだことを踏まえ、立候補を決断しました。

野田氏は、政界でも屈指の酒豪として知られるとともに、平日はほぼ毎日、選挙区内の駅前に立って声かけなどの活動を行っています。

野田氏が最も忘れられないとしているのは2期目を目指した1996年の衆議院選挙で105票の僅差で敗れたあと、一睡もしないまま駅前に立った朝で、今でもその悔しさを胸に刻んでいるということです。

座右の銘松下政経塾を設立した故・松下幸之助氏のことばで成功まで志を貫くという意味の「素志貫徹」です。

枝野氏 出陣式「勝って安心して暮らせる未来を」

 

東京・千代田区都道府県会館で行われた枝野前代表の出陣式には選挙対策本部長を務める近藤昭一衆議院議員や海江田・衆議院副議長などおよそ15人の国会議員が出席しました。

この中で枝野氏は「自民党は『刷新感』という言葉に象徴されるように、イメージだけ変えて旧統一教会問題や『裏金問題』などの腐敗政治をごまかそうとしているだけでなく、人を使い捨てにする、地方を使い捨てにする政策へさらに進もうとしている。いまの政権に対して私たちがきぜんと明確に、対抗軸をいかに高らかに掲げるかが問われている」と述べました。

その上で「この代表選挙に勝つことが目的ではない。代表選挙に勝ち、衆議院選挙に勝ち、来年の参議院選挙に勝って『人間中心の経済』で一人ひとりが支え合って、安心して暮らせる未来を皆さんと一緒につくっていく」と述べました。

枝野幸男氏 プロフィール

 

枝野幸男氏は衆議院埼玉5区選出の当選10回で、60歳。

弁護士で、1993年の衆議院選挙に、当時の日本新党から立候補して初当選しました。

かつての民主党政権では、官房長官経済産業大臣、それに党の幹事長など要職を歴任しました。

2017年に、所属していた民進党が東京都の小池知事が立ち上げた希望の党への合流をめぐって分裂すると、立憲民主党を結党して代表に就任し、直後の衆議院選挙で野党第1党の議席を獲得しました。

立憲民主党はその後、当時の国民民主党と合流し、社民党の一部の議員も入党するなど、勢力を拡大しましたが、前回・3年前の衆議院選挙で議席を減らした責任をとって代表を辞任しました。

今回の代表選挙では、8月9日にいち早く立候補の意向を明らかにし、「逃げることなく時代の転換の先頭に立つのがわたしの使命だ」と述べました。

枝野氏は、高校まで合唱部に所属し、カラオケ好きは永田町でも有名です。

演説の際には、聞いている人に思いが伝わるよう、歌うように語りかけることを心がけているということです。

泉氏 オンライン出陣式「立憲民主党政権政党に」

 

泉代表は、推薦人の国会議員とみずからを支援する地方議員らおよそ30人を前にオンラインで出陣式を開き「立憲民主党政権政党にする。自民党の政治は劣化しており、政治は、自分のカネ集めではなく、真剣に国民の側を向いて生活を豊かにするものに変わらねばならない。古い政治から新しい政治へ、それがまさに訴えていきたいことだ」と決意を表明しました。

泉健太氏 プロフィール

 

泉健太氏は衆議院京都3区選出の当選8回で、50歳。

福山哲郎参議院議員の秘書などを経て、2003年の衆議院選挙に当時の民主党から29歳で立候補して初当選し、民主党政権では内閣府政務官などを務めました。

4年前に行われた党の代表選挙では、現職の枝野代表に敗れたものの、その後、政務調査会長を務めました。

衆議院選挙で党が敗北したことを受けて行われた3年前の代表選挙では、4人による争いを制し、代表に就任しました。

泉氏は、当初、国政選挙で苦戦していましたが、自民党の政治とカネの問題で追及を強め、ことし4月の衆議院の3つの補欠選挙で全勝するなど、党勢の回復に取り組みました。

党の方針として中道路線を掲げ、政権交代に向けて教育無償化など特定の政策課題の実現を目指す「ミッション型内閣」を打ち出しほかの野党との連携を図っています。

趣味は日曜大工で、京都の自宅で、壁紙の張り替えや、玄関のドアの塗装をみずから行うこともあります。また、自宅で飼っているウサギと過ごすひとときが心の癒やしだということです。

吉田氏 一本化で合意「告示ギリギリのタイミング」

 

江田・元代表代行と衆議院当選1回の吉田晴美氏はともに立候補に意欲を示し、両陣営は6日夜から一本化を含めた協議を続けてきました。

そして、7日午前に江田氏と吉田氏が再び議員会館で会談した結果、消費税の食料品への非課税などで一致したとして、候補者を一本化することで合意し、吉田氏が立候補することになりました。

吉田氏は記者団に対し「告示ギリギリのタイミングになったがこの一本化で、立憲民主党が自由かったつで、多様性に満ちた意見を尊重していることを明らかにできた。自民党では、あり得ないと思うが、1期生が代表選挙のステージに立たせてもらう」と述べました。

吉田晴美氏 プロフィール

 

吉田晴美氏は衆議院東京8区選出の当選1回で、52歳。

旧民主党の流れをくむ政党の代表選挙に当選1回の議員が立候補するのは初めてです。

海外の航空会社の客室乗務員や経営コンサルタントを経て、民主党政権では、小川敏夫・元法務大臣の秘書官を務めました。

その後、旧民主党の候補者の公募に応じ、2013年の参議院選挙と2017年の衆議院選挙の2回、国政選挙に立候補しましたが議席を得られませんでした。

前回・2021年の衆議院選挙に東京8区から立候補して、自民党石原伸晃・元幹事長らを破り初当選を果たしました。

両親が山形県青果店を営み、幼い頃には手伝いで店先に立った経験があることも踏まえ、家計の負担軽減など生活者の目線に立った政治の実現を訴えています。

論点と各候補の主張

今回の立憲民主党の代表選挙では、野党間の連携のあり方や、政治改革の具体策、それに消費税の取り扱いも含めた経済・財政政策などをめぐり論戦が交わされる見通しです。

【野党間の連携のあり方】
野田氏
日本維新の会や国民民主党と、小選挙区での候補者調整も念頭に連携強化を目指す考えで、共産党とは政権をともにする考えはないとしています。

枝野氏
代表を務めていた前回の衆議院選挙では野党候補の一本化を図り、共産党などとも連携しましたが今回は日本維新の会共産党とは包括的な連携は難しいとした上で、国民民主党と連携を強めたいとしています。

泉氏
単独で政権を樹立できない場合教育無償化など特定の政策課題の実現を目指して連立を組む「ミッション型内閣」を提唱しています。共産党と政権を担うことはできず、国民民主党と連立を組むことを想定しているとしています。

吉田氏
教育の無償化や選択的夫婦別姓の実現などの政策で一致できる野党が結集すべきだとしています。

【政治改革】
野田氏
政治改革の実現を訴えの中心に据え、政治資金規正法をさらに改正し、いわゆる「連座制」の強化や企業・団体献金の禁止、政策活動費の廃止などを行うほか、国会議員の世襲の制限や議員定数の削減も目指すとしています。

枝野氏
企業・団体献金の禁止や政治資金パーティーの禁止、それに世襲による政治団体間での資金移動の禁止などを盛り込んだ法律改正を行うとしています。また、政治資金についての情報開示の徹底も打ち出しています。

泉氏
自民党の政治資金問題は「ルール違反」であり「まっとうな政治」の実現を訴えています。政策活動費の全廃や国会議員に支給される「調査研究広報滞在費」の使い道の公開を基本に政治改革を実現するとしています。

吉田氏
政治資金の収入と支出をトータルで監査するなど民間企業と同様のチェックが必要だとしています。

【経済政策】
野田氏
自身が総理大臣の時に掲げた「分厚い中間層の復活」に向け、保育や看護、介護に従事する人の待遇改善のほか給食費の無償化などを掲げています。

枝野氏
みずからの政策「人間中心の経済」を訴えの中心に据え、国公立大学の授業料の段階的無償化や保育や介護で働く人の待遇改善などを打ち出しています。

泉氏
「人からはじまる経済再生」をスローガンに、教育無償化や物価対策の推進、それにエネルギーや食料の自給率向上、超富裕層への課税強化などを訴えています。

吉田氏
「教育×経済」を掲げ、充実した教育で新技術を創造し、経済活性化に結び付けると訴えているほか、最低賃金の引き上げや中小企業の社会保険料負担の軽減を目指すとしています。

【消費税】
野田氏
税率の引き下げは軽々に言えないとしつつ、経済が厳しいときには引き下げの議論はあってもいいとしています。また、所得に応じて給付や控除を行う「給付付き税額控除」の導入を訴えています。

枝野氏
消費税5%分の実質的な減税策として、中間層までを対象にした「給付付き税額控除」を創設するとしています。

泉氏
国民への還元として「給付付き税額控除」か一律減税か食料品のみの軽減かなど選択肢を持って党内で議論すべきとしています。

吉田氏
物価高騰対策として時限的な消費税の5%減税に加え、特に食料品については消費税の非課税を実現すべきだと訴えています。

【外交・安全保障】
野田氏
専守防衛と日米同盟が外交・安全保障の基軸だと訴え、自衛官の待遇改善を目指すほか、防衛増税の見直しを主張しています。

枝野氏
日米同盟を基軸に置きながら対話外交を試みるとしています。また、専守防衛を基本として自衛官の待遇や処遇を改善し、防衛力の強化を目指すとしています。

泉氏
専守防衛を基本とし、古い装備品を新しい装備品に転換して効率化を図るとしていて、「国防を真剣に考える野党」を訴えています。

吉田氏
対話と外交により平和を構築し、専守防衛を基本とすべきだとしているほか、政府・与党が集団的自衛権の行使を容認したのは憲法違反だと主張しています。

憲法
野田氏
「論憲」の立場だとし、憲法改正は一番の争点とは言えないとしています。

枝野氏
9条への自衛隊の明記は国民的な合意が得られる問題ではないとしています。

泉氏
「緊急事態条項」などについて、山積する課題の議論を続けるとしています。

吉田氏
憲法9条を守るとしています。また、国民ではなく為政者から提起された憲法改正の議論は疑問だとしています。

スケジュール

今回の立憲民主党の代表選挙は、党の規則上、最も長い17日間の選挙戦を経て、9月23日の臨時党大会で投開票が行われます。

期間中には、大都市を中心に街頭演説や討論会などの地方遊説が行われ、今回は、前回の3か所を大幅に上回る全国11か所で開催されます。

地方遊説は、7日に名古屋からスタートし、18日の東京まで続きます。

11日には候補者全員が能登半島地震の被災地を訪れ、視察する予定です。

前回同様、オンラインも活用し、10日には女性議員、12日には地方議員が参加してのオンライン討論会が開かれます。

このほか、テレビやインターネット番組、新聞社による討論会も行われ、同じ時期に行われる自民党総裁選挙に対抗し、党の理念や政策をアピールしたい考えです。

投票は、地方議員と党員・サポーターは、事前に郵便かインターネットで行われ、郵便は20日到着分、インターネットは22日の午後5時に締め切られます。

そして23日に、東京・港区のホテルで臨時の党大会が開かれ、候補者が最後の演説を行って支持を訴えたあと、地方議員と党員・サポーターによる投票の結果が報告されます。

その後、国会議員と国政選挙の公認候補予定者が投票し、その場で開票されて、新しい代表が選ばれます。

代表選の仕組み

 

今回の立憲民主党の代表選挙は、党所属の国会議員のほか、国政選挙の公認候補予定者、地方議員、党員・サポーターに割り当てられるあわせて740ポイントで争われ、過半数を獲得した候補者が代表に選出されます。

内訳は、▼衆参両院の副議長を含む136人の国会議員に1人2ポイントで272ポイント、▼98人いる国政選挙の公認候補予定者に1人1ポイントで98ポイントが割り当てられ、あわせて370ポイントとなります。

衆参両院の国会議員と公認候補予定者は、今月23日の臨時党大会で直接、投票します。

また、▼全国1236人の地方議員と、▼11万4792人の党員・サポーターには、それぞれ185ポイントが割り当てられます。地方議員と党員・サポーターは、郵便かインターネットで投票し、得票数に応じていわゆる「ドント方式」でポイントが配分されます。

締め切りは、郵便が20日到着分まで、インターネットが22日の午後5時までとなります。

過半数のポイントを獲得した候補者が代表に選出されますが、過半数を獲得する候補者がいなかった場合は、上位2人による決選投票が行われます。

決選投票は、▼国会議員に1人2ポイント、▼国政選挙の公認候補予定者に1人1ポイント、▼各都道府県連の代表者に1人1ポイントを割り当て、合計417ポイントで争われます。

立民の議員グループは誰を支援?

立憲民主党内には複数の議員グループがあります。自民党の派閥とは異なり、ほとんどが掛け持ちを認め、緩やかな連携のもと活動しています。

党内最大グループは、およそ30人が所属するリベラル系の議員でつくる「サンクチュアリ」です。近藤昭一衆議院議員が代表を務め、かつて赤松・元衆議院副議長が率いました。今回の選挙に立候補した枝野前代表がグループの顧問です。枝野氏への支援を軸に対応していくことを決めています。

次いで、泉代表が率いる「新政権研究会」が20人余りです。泉氏を支援します。

江田・元代表代行が会長の「ブリッジの会」と重徳和彦衆議院議員ら中堅・若手議員で構成する「直諫の会」がともにおよそ20人の勢力です。江田氏のグループは吉田氏を支援します。中堅・若手議員のグループでは幹部などが野田氏を支援しています。

小沢一郎衆議院議員が率いる「一清会」と菅元総理大臣が率いる「国のかたち研究会」、それに野田元総理大臣が率いる「花斉会」にはそれぞれおよそ10人が所属しています。野田氏と小沢氏のグループは、野田氏を支援する方針です。菅氏のグループは自主投票を決めています。

民主党政権未経験議員が半数近く

立憲民主党には現在、136人の国会議員が所属しています。初当選した年ごとにみると、1998年の旧民主党結党までに初当選した議員は、枝野前代表や野田元総理大臣、岡田幹事長らベテランの17人です。

旧民主党結党から2009年の政権交代前までの初当選が38人です。

泉代表や長妻政務調査会長西村智奈美・代表代行ら現在の執行部の中心メンバーが多く含まれます。

2009年の政権交代から2012年に政権を失う前までが19人。

2012年に政権を失って以降が62人となっています。民主党政権を経験していない議員は、党所属議員の半数近くを占めています。

立憲民主党の歩み

立憲民主党は、枝野前代表が2017年に結成した旧立憲民主党の流れをくんでいます。

枝野氏は、所属していた民進党が、東京都の小池知事が立ち上げた希望の党への合流をめぐり分裂すると党を立ち上げ、代表に就任します。

直後の衆議院選挙で、選挙前の3倍を超える55議席を獲得して躍進し、野党第1党になりました。

そして2020年に、泉代表が所属していた旧国民民主党や、野田元総理大臣ら無所属の議員と合流し、いまの立憲民主党が結成されました。

これにより、衆参両院で150人規模となり、全国すべての都道府県で地方組織をつくるなど党の体制を整えました。

前回・3年前の衆議院選挙では、野党連携を主導し、共産党などとの間で全体の7割を超える小選挙区で、野党候補の一本化を図り、政権交代を目指しました。

しかし、選挙前の109議席を下回る96議席の獲得にとどまり、枝野氏は責任をとって代表を辞任しました。

そして、枝野氏の後任を選ぶ代表選挙では泉氏が4人による争いを制し、代表に就任しました。

泉氏の代表就任後に行われたおととしの参議院選挙で立憲民主党は17議席の獲得にとどまり、改選前から6議席減らしました。

その後、立憲民主党自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題が明らかになると、政府・自民党への追及を強め、ことし4月の衆議院の3つの補欠選挙で全勝しました。

今回の代表選挙は、泉氏の3年間の任期が満了したことに伴うもので、いまの立憲民主党が結党されて以降、3回目となります。

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