立民代表選 立候補の4人 NHK「日曜討論」で論戦交わす(2024年9月8日『NHKニュース』)

立憲民主党の代表選挙の候補者4人は、8日、NHKの「日曜討論」にそろって出演し、次の衆議院選挙に向けた野党連携のあり方や政治改革などをめぐって論戦を交わしました。

記事の後半では、選挙戦がどうなっていくのか、記者が解説します。

 

日曜討論」野党連携のあり方や政治改革などで論戦

立憲民主党の代表選挙の候補者4人は、NHKの「日曜討論」にそろって出演し、次の衆議院選挙に向けた野党連携のあり方や、政治改革などをめぐって論戦を交わしました。

【野党連携のあり方について】

◇野田元総理大臣
「野党の議席の最大化こそ自公政権過半数割れに追い込むことになり、対話の中で政権を一緒に担う野党も出てくる。いちばん近いところにいる国民民主党は代表選挙が終わったら協議しなければならない。日本維新の会とも一致できるか探っていきたい」

◇枝野前代表
「『裏金議員』を倒すという最大の課題は、他党にも理解してもらえると思う。国民民主党は働く人のための政治という共通の基盤に立っているので不断の努力で連携を深めたい。その他の政党との一致点は自民党議席を最少化するということで、民主主義のために必要だ」

◇泉代表
「各野党に対し、自民党を倒すための最大限の協力を呼びかけたい。ただ、こちらの理想ばかり言うのではなく、それぞれの政党に戦略があって議席を伸ばしたい思いもあるので、手を結ぶところでしっかり結んで、丁寧にやっていきたい」

◇吉田晴美氏
「来月早々にも衆議院の解散があるのではないかと言われている中で、選挙区のすみ分けの議論を始めるべきだ。候補者を擁立していく姿勢を堅持しながら、野党の候補者の一本化に向けて全力を尽くすべきだ」


【政治改革の具体策について】

◇野田元総理大臣
「『裏金事件』は脱税であり、何もけじめがついていない。世襲議員も多すぎて、民主主義の国家と言えるのか。弊害が多いと思っている。被選挙権年齢を引き下げ、女性のチャンスを拡大し、世襲を制限することで有為な人材にチャンスをつくる被選挙権改革をしたい」

◇枝野前代表
「我々が通常国会で『こんなのはざるだ、だめだ』と言っていたものを自民党が総裁選挙で、急に言うのは眉に唾を付けて受け止めなければいけない。また、世襲議員が多すぎる。政治家が亡くなったり引退したりすれば、政治資金は国庫に戻してもらうというのが本来の姿だ」

◇泉代表
自民党本部の中ではいまも政策活動費や裏金が動いているのに、総裁選挙の時だけ改革を言うのは、あまりに不誠実だ。旧文通費の公開についてはいま、基準も使途もバラバラで白黒つけられないので、共通のルールづくりを急ぐべきだ」

◇吉田晴美氏
「『政治家だけがこんなにいい思いをしているのか』という国民感情があり、次の衆議院選挙では、しっかりみそぎをしてもらいたい。民間企業は会計を公開し監査を受けており、同じレベルで政治をやればパーティー券や政治活動費の問題はすべて解決できる」

告示日 4候補 名古屋に移動し街頭演説

 

立憲民主党の代表選挙は7日告示され、野田元総理大臣、枝野前代表、泉代表、吉田晴美氏の4人が立候補し、今月23日の投開票に向け選挙戦に入りました。

4人は党本部での共同記者会見などに臨んだあと、名古屋に移動して街頭演説を行いました。

野田氏は「政治に信頼を取り戻すことが一番大事だ。自民党の『裏金問題』への対応は0点で、政権交代こそが最大の政治改革だ」と訴えました。

枝野氏は「自民党の一部は裏金の中身も明らかにしないまま、うやむやにしようとしている。政治腐敗を一掃し新しい時代を切り開く先頭に立たせてほしい」と訴えました。

泉氏は「いつ政権を握ってもいいように外交、安全保障、経済、教育、子育て、エネルギーと政策をそろえている。裏金の自民党から政権を変えよう」と訴えました。

吉田氏は「訴えたい中心は教育で、公立の教育で最高のものを子どもたちに提供すべきだ。社会で教育を支えるのが一番大事な政治の役割だ」と訴えました。

地方遊説は、全国11か所で予定されていて、8日は福岡で街頭演説や討論会が行われます。

各陣営とも、国会議員票に加え、全体の半数を占める、地方議員や党員・サポーターなどの「地方票」も勝敗のカギを握るとみていて、地域での票の取り込みに力を入れることにしています。

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各候補の推薦人一覧

 

 

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【記者解説】選挙戦の行方は? 推薦人の顔ぶれ見ると…

選挙戦の行方はどうなるのか、野党クラブ 小嶋章史キャップの解説です。
(8日午前7時「おはよう日本」で放送)

Q.代表選挙の候補者は4人に。どうなりそうか?

A.選挙戦は始まったばかりですのでまだまだこれからなんですが、なかなか、結果を読みづらい戦いになりそうです。

と言いますのが、7日公表された、4人の推薦人の顔ぶれなんです。

細かくみていきますと「えっ?」という意外な議員が何人かいるんです。

先日も、ある陣営の関係者が「推薦人を数人借りた」と話していたんですが、どういうことかと言いますと、20人の推薦人に入っていてもその候補に実際に投票するかどうかはわからない議員がいるということなんです。

それだけに、今回の代表選挙は、国会議員の動向が読みにくいというわけなんです。

また、上位2人の決選投票になった場合ですが、敗れた2人の陣営が推薦人を借りていれば、その「お礼」「お返し」をするケースも出てくる可能性があります。

今回の構図が決まったあと、「もう少し推薦人を貸して恩を売っておけばよかったかもしれない」と話す陣営の関係者もいたほどですので、各陣営の駆け引きも今後本格化していくと思います。

Q.自民党の総裁選挙の候補者は、今の仕組みで過去最多の5人を上回ることが確実。立憲民主党の代表選挙には、何が必要になる?

A.次の衆議院選挙が近く行われるかもしれないということもあってか、7日の討論でも、4人からは、選挙を念頭に置いた発言が相次ぎました。

政権交代を目指す姿勢を強調するのはもちろん必要なんですが、あわせて、党の政策や理念も浸透させ、党に対する期待につなげられるかどうかが重要だと思います。

このため、4日後に告示される自民党総裁選挙も意識しながらさまざまな政策課題をめぐる議論が展開される見通しです。

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