兵庫県議会百条委証人尋問詳報(1)
百条委員会で証人尋問に応じ、宣誓する斎藤元彦知事=30日午後、神戸市中央区(代表撮影)
《午後3時ごろ、ダークスーツにネクタイ姿の斎藤氏が一礼して入室。証言席に着く際も頭を下げた。委員長が、理由なく証言を拒否したときなどは刑事罰に処される可能性があることを説明し、斎藤氏が「良心に従って真実を述べることを誓います」と宣誓した》
《最初は委員長が、昨年11月に出張先で公用車を降りて20メートル歩かされ、出迎えた職員を怒ったとされる件について質問した》
委員長「車が施設の入り口まで行くと思っていたが、止まってびっくりしたと。車内から車止めが見えていたか」
斎藤氏「その通り」
委員長「職員にどういった発言をしたか」
斎藤氏「車止めをどけるのを失念していたのではないか、と申し上げたと記憶している」
委員長「声の大きさや程度は」
斎藤氏「会議が始まる直前で、外でもあり、大きい声で伝えた」
委員長「かなりきつい言い方だったという認識はあるか」
斎藤氏「それなりに強く指摘した」
委員長「叱責する前に職員に『車は入ったらいけないのか』と確認しなかった」
斎藤氏「会議が始まる直前でそんな暇はなかったと思う。車の動線を確保できていなかったのではないかという強い思いがあり、注意した」
委員長「車が入ったらだめなのか確認していない。知事の考えは思い込みでは」
斎藤氏「車止めの直前で急に止まったので、車止めを取り忘れていたと思った。歩かされたことを怒ったのではなく、円滑な車の進入を確保していなかったことへの注意だった」
委員長「もともと入り口まで進入できないルールで車止めが置かれていた。車止めを外して進入できるようにしておくべきだというのは、過大な要求では」
斎藤氏「私は進入禁止エリアと認識していなかった。記憶としても知らされていなかった。当時の認識としては合理的だったと考えている」
委員長「帰りは車止めを外して入り口まで車がつけられた。これは適切か」
斎藤氏「迎えに来いとは一切指示していない。職員の皆さんが判断して対応したと思う。いま振り返ったときに車両進入禁止エリアだったなら、申し訳なかったと思う」
《続いて、自身が把握していない県の事業や政策を職員が説明する場で叱責したとされる疑惑に移った》
委員長「令和4年9月にNHKで県のドローンサミットに関する特集が放映された。その後、知事を交えた会議の急なキャンセルが相次ぎ、ドローン事業は立ち消えになったと聞いている」
斎藤氏「立ち消えになったのではなく、必要性がなくなったので、予算を縮小した」
委員長「令和5年1月に空飛ぶクルマの補助金事業が新聞報道され、担当者が知事室に行った。証言によると、『聞いていない。空クル(空飛ぶクルマ)は知事直轄。勝手にやるな』と厳しい口調で叱責を受けたと。叱責したことはあるか」
斎藤氏「記憶にない。いろいろなレクを受けていて、一つ一つ覚えていない。『聞いていない』ということだから、私は合理性があると思う」
委員長「担当者は着座しようとしたら、すごいけんまくで『やり直し』といわれ、即座に退室を余儀なくされたという。『聞いていない』と突き返すことはあったのか」
斎藤氏「そんな記憶はない。聞いていなかったと注意したとしても、またレクをしてほしいということはあると思うが、そういった記憶もない」
《斎藤氏は終始、表情を変えず淡々と質問に答えた。この後、質問者は自民党会派の委員に替わり、企業に職場でのパワハラ防止対策を義務付けた女性活躍・ハラスメント規制法(パワハラ防止法)の観点から疑惑を追及していく》
斎藤知事「ポロッと言ったことがここまで伝わるか…」 維新委員「人望ないのでは」(2024年8月30日『産経新聞』)
兵庫県議会百条委証人尋問詳報(2)
《兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調査する30日の県議会調査特別委員会(百条委員会)は委員長に続き、自民党会派の委員が質問した。企業に職場でのパワハラ防止対策を義務付けた女性活躍・ハラスメント規制法(パワハラ防止法)の観点から、斎藤氏を追及した》
《委員は弁護士の見解に基づき、パワハラ防止法は公益通報者保護法に比べて、相談や告発の真実相当性が厳格に求められず、告発者らへの不利益な取り扱いが禁止されていると主張。斎藤氏はこれまで、疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長の男性が保護対象ではないとしているが、委員は保護対象になり得るとの見方を示した》
斎藤氏「なかった。誹謗(ひぼう)中傷性が高い文書と認識した」
委員「元局長を停職3カ月とした懲戒処分について、いまは不適切と認識しているか」
斎藤氏「いまも思っていない。適切だったと思う。事実でないことが多々含まれる文書だと認識し、調査して処分した。適切だった」
委員「記者会見で『公務員として失格』と発言したのは、不適切と認識しているか」
斎藤氏「言い過ぎだったと、これまでも述べている。最初に(文書を)みたとき、大変ショックだった。事実でないことがたくさん含まれ、なぜこういった文書を作るのかと苦しい思いがあった。悲しい、つらい思いから、あのような(失格という)表現をした」
《委員の質問のテーマは、県職員とのやり取りの妥当性に移る》
委員「職員とのやり取りで『聞いていない』『知らない』ということが結果として、県政を滞らせるのでは」
斎藤氏「私も完璧な人間ではない。1回聞いたことを全て覚えていられるほど全能ではない。大量の資料の内容は失念することがあり、『聞いていない』といってしまうことはある。注意しないといけない。職員としっかりコミュニケーションをとることが大事だ」
委員「知事に完璧な人間を求めているのではない。受けた説明を忘れることもあるだろうが、そのときの態度として『資料に書いているから知っていると思うな』と発言するのは、真っ当か」
斎藤氏「言い方が厳しかったり強くなったりして、職員の皆さんに不快な思いをさせたことは反省したい。謝りたい」
《委員からは「知事は自分中心にものごとを考え、自分は大丈夫だったのかという意識が欠けているからパワハラにつながる」との厳しい指摘もあった》
委員「(複数の職員が参加する)グループチャットの中で、知事へのレク(説明)に入った職員について『全然なっていない』と。ただ本人には、だめな内容を伝えていない。グループチャットで職員を評価するのは、自分で自分の首を絞めている。ワンクッション置いて考えることはしないのか」
斎藤氏「ご指摘はしっかり受け止めたいが、仕事をしていく上で、改善してほしいことを言ってはだめという世界ではないと思う。チャットでなく口頭でよかったというご指摘だと思う。これから気を付けたい」
《質問者は維新会派の委員に交代した。維新は前回知事選で斎藤氏を推薦しており、日本維新の会の吉村洋文共同代表や藤田文武幹事長は、証人尋問における斎藤氏の説明次第で、県議会で不信任決議案を提出する可能性に言及している》
委員「知事は部下からどう評価されていると思うか」
斎藤氏「厳しい上司だと思われていると思う」
委員「好かれているか、嫌われているか」
斎藤氏「それは分からないが、仕事は厳しくするというのが私のスタイル。職員がどう思っているかは、いろいろあると思う」
委員「職員とのコミュニケーション不足は深刻だと思う。登退庁時は公用車が送迎しているが、運転手と随行者は時間を逆算して余裕をもって出発している。知事は事前に決めた時間に遅れることはあるか」
斎藤氏「そういうこともある」
委員「知事が遅れて行程がずれて、怒られる職員は理不尽な指導だと思う」
斎藤氏「ケース・バイ・ケースだと思う。そういった指摘は真摯(しんし)に受け止めないといけない」
《維新の委員は斎藤氏と職員の間で「人間関係(の構築)が足りていない。人望がないのではないか」とも指摘した。委員は全職員を対象としたアンケートの中間報告に基づき、夜中や休日でも斎藤氏がチャットで幹部職員に指示を出すこともただした》
委員「深夜にチャットを送ることが、幹部職員の負担になっていたことについての考えは」
斎藤氏「真摯に反省したい。職員への気遣いなどをしなかったのは、私の至らなさだ」
《質問は、職員アンケートの中間報告で、パワハラを見聞きしたとの回答が約4割に上ったことにも及んだ》
委員「4割が見聞きしているのは、どういう状況なのか」
斎藤氏「私の想定以上に、ここまで知事がポロッと言ったことや、やったことが伝わっていくことがあるんだなと。自分の言動はより慎重に、襟を正していくべきだと思った」
委員「(職員に対し)強く言う行為を自粛し、しっかりと反省していただきたい」
斎藤氏「改革刷新をしたいという思いで一生懸命、自分なりにやってきたが、行き過ぎた面があった。しっかり反省して襟を正していきたい」
《維新委員の質問は終わり、公明党会派の委員に交代した》
告発者の懲戒処分予告した記者会見、斎藤知事は「人事課の想定問答にないこと述べた」(2024年8月31日『産経新聞』)
兵庫県議会百条委証人尋問詳報(3)
《兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑を調査する30日の県議会調査特別委員会(百条委員会)で、維新会派の委員に続き公明党会派の委員が質問した。委員は、疑惑を告発する文書を作成した元県西播磨県民局長の男性に対する懲戒処分に焦点を当てて追及していく》
委員「元県民局長への処分にハラスメント性があるのではないか。処分は停職3カ月だが、(処分の4日後に控えた)退職を停止され再就職できなくなり、過剰な結果になっている。退職を保留するほどのことだったのか」
斎藤氏「告発文書は元県民局長が作成した可能性が高く、調査では25日に本人に事情聴取した。公用パソコンをチェックし、問題の文書と不正アクセス、業務時間外に作成した文書、職員へのハラスメントが想定される文書のデータが同じフォルダから出てきた。明らかに懲戒処分に該当し得る可能性が高かったので、人事課と副知事から退職を保留して、しっかり調査することが大事だといわれた」
委員「退職を保留すると再就職できないことの影響は考慮したか」
斎藤氏「再就職先に行こうとすることは把握していたと思う。ただ、懲戒処分に該当し得る行為をした可能性があり、その証拠もあった。退職を保留して調査することは、そのときの判断だった」
委員「再就職妨害という不法行為に当たるのではないか。処分の公表時期も、処分を行った後にするもの。3月27日の記者会見で元県民局長を名指しして懲戒処分を予告することは、県の指針に違反すると思うが、どうか」
斎藤氏「違反するかどかのコメントは差し控えたい。適切な調査をして、懲戒処分をする可能性があると申し上げた。同日、元県民局長を総務部付にする人事は発表しており、(会見で)聞かれたことに答えるのも一定必要というなかで話をした」
委員「人事課からは詳細について『申し上げられない』とだけ答えてくださいという想定問答が渡されているはず。にもかかわらず、処分する予定だと言ってしまうことが問題だと思うが」
斎藤氏「人事課が出してきた想定問答にないことを述べた。人事異動をなぜしたかの理由と、元県民局長のパソコンから見つかったデータが4つの非違行為に該当することが確認されたとの報告があり、放置していると大きな影響を及ぼす可能性があることから注意喚起を含めて述べた」
《委員は斎藤氏のこの判断を「恣意(しい)判断」と非難し、追及を続けた》
斎藤氏「表現が適切だったかという意味で、よくなかった面を含めて反省している。いまでも誹謗(ひぼう)中傷性の高い文書だと強く認識している。一緒に仕事をしてきた仲で、あのような文書を作成されたことに対し、大変残念な思いもあった」
《委員は、斎藤氏が約20年前の総務官僚時代に国会議員秘書を務めた経験に言及した》
委員「20年たって、仕事のやり方も変わってきている。変えないといけないという懸念はなかったか」
斎藤氏「仕事のやり方を変えていくことは、その通り。レク(説明)の時間を取れない中で、チャットなどで工夫してきた。深夜に(幹部職員らにチャットを)送ったのは、自分でもどんどん仕事をしたいタイプで、行き過ぎた面があったなら反省しないといけないが、いい仕事の仕方をやってきた思いは、いまもある」
《質問者は県議会第4会派「ひょうご県民連合」の委員に交代した》
委員「知事の人権感覚そのものが普通の人とずれているのでは。気は長いほうか、短気なほうか」
斎藤氏「2つの面があって、基本的にわりと適当なところがあるが、仕事でミスがあった場合には短気な面もある」
《委員は斎藤氏に対し「県のナンバーワンで、行政の最高執行権限者だが、能力や知識でナンバーワンとは言い切れない」と厳しく指摘し、職員アンケートで「瞬間湯沸かし器」と記載されていることに言及した》
委員「パワハラ体質を含んでいる。そのことは自覚してもらわないと、われわれも職員も県民もついていけない」
斎藤氏「私としては、仕事については厳しくさせてもらっている面が正直ある。いい仕事をしたいという思いで、私心なくやらせていただいていた。職員への伝え方、接し方で不快に思わせているとすれば、直接おわびしたい。これからはもっといい知事として、あり方を改めていきたい」
《この後、委員の質疑は、斎藤氏が片山安孝副知事(当時)に向けて付箋を投げつけた件に移った。斎藤氏が投げたとされる5センチ角のものと同じ付箋を重ねた束(厚さ1センチ未満)を手に追及した》
委員「片山氏にこの付箋かと確認した。片山氏本人には当たらなかったと聞いたが、どういう意図で投げたのか」
《ここで斎藤氏はメモをもとに説明したいと委員長に許可を求め、了承された》
斎藤氏「机に向かって投げた。付箋は1枚。県立大の無償化を国会議員に説明する案件で重要な伝達内容を失念され、大変残念な状況の中で思わず卓上に向けて放り投げた。真正面に向かって投げたので副知事に向かってではない。当たったわけでもない。厳しく注意する中で突発的に行ってしまった。いま考えれば適切ではなかった。不快な思いをさせたなら、おわび申し上げたいし、反省したい」
委員「片山氏は、わざわざ付箋の厚みまで説明した。なぜ、片山氏に向かって投げていないというのか」
斎藤氏「束のまま投げたことはない。本人に向かって投げていないし、当たっていない。業務をちゃんとやってほしいという思いから、目の前に放り投げてしまった」
委員「パワハラを認めないのか」
斎藤氏「当時としては必要な指導だと思っていた」
委員「パワハラを認めた上で反省するということではないのか」
「俺は知事だぞ」発言を否定 個室用意は当然との認識示す(2024年8月31日『産経新聞』)
兵庫県議会百条委証人尋問詳報(4)
委員「県民会館の喫茶室で、(閉店)時間を過ぎているので出て行ってくださいと言われたときに『知事なのになんで出ていかなくちゃいけないんだ』とおっしゃった」
斎藤氏「言っていません。スタッフの方が大きい声で早く出て行ってくださいと言われたのでびっくりして『兵庫県知事です』と名乗った」
《無所属の委員は、問題の発端となった3月27日の記者会見について質問。会見で斎藤氏が述べた内容には虚偽が含まれていたと指摘した》
委員「県民局長解任会見時のパワハラ発言の一部を紹介する。『本人も認めていますが、事実無根の内容を職務中に~県民局長としてふさわしくない行為をした』と。本人も認めているというが、県民局長はふさわしくない行為と認めていない」
«事実無根の内容を告発者本人も認めたと受け取れる発言。委員の指摘は、斎藤氏によるミスリードではないかとの趣旨とみられるが、斎藤氏はその点には正面から答えない»
斎藤氏「事実と異なる内容の文書だと私は認識した。県民局長は文書の作成流布したことを認めていた。勤務時間中に公用パソコンを使って作成したので申し上げた」
委員「噓八百発言もそうだが、職員に精神的苦痛を与えることになる。(会見という場であり)知事の発言はマスコミを利用したパワハラではないか」
斎藤氏「いろんな評価があり難しいが、事実ではないことがたくさん含まれている文書を、実名含めてたくさん流布されたので、それを勤務時間中に作成したことは職員として好ましくない行為だったという趣旨で伝えた」
委員「何日に誰と県民局長の退職取り消しと人事異動を決めたのか」
斎藤氏「(3月)25日に聴取をされて、文書を作成したと確認できるデータが見つかった。(ほかにも)パソコンのデスク上からそれ以外の不正アクセスとか、文書の作成などの4つの非違行為が確認できたので退職の保留、総務部付の人事異動をすることを片山副知事などから26日に報告があった」
委員「そもそも本人が事実を認めていないと処分できない。処分に対する決裁規定違反。処分を急ぐがあまり、ずさんで拙速なものになった組織的なパワハラになった可能性がある」
斎藤氏「(最初に会見した)3月27日は懲戒処分ではない。退職の保留と人事の異動。必要な手続きはちゃんとやってきた」
«再び自民会派の議員らが質問。斎藤氏は謝罪の言葉を述べる場面もあったものの、最後まで一貫してパワハラを認めなかった》
委員「令和4年、更衣室が県民と共用だったことで(職員を)叱責。そして違う部屋で着替えたのは事実か」
斎藤氏「スポーツイベントに参加するため着替えないといけなかった。更衣室に知らない男性がいてびっくりした。事前にちゃんと確認して更衣室を用意しておくべきだったのではないかということを注意した」
委員「別の部屋で着替えたか」
斎藤氏「多分そうだと思う。セキュリティーの関係で着替えるところに知らない人がいるということは望ましくないので別の部屋を用意させていただいた」
委員「セキュリティー上なんの問題があるのか」
斎藤氏「どうしてもやむを得ない場合は一般の人と着替える。公務で知事が着替えましょうというときは、基本的には個室を用意しておくということは普通に考えて、知事の安全面とか、物を置いておくときのセキュリティー、要は貴重品を置いておくケースもありますから、打ち合わせするケースもありますから。そこはちゃんと用意しておくのは大事なことだと思う」
《職員アンケートの記述などでは、斎藤氏が目の前でエレベーターが閉まった際、そばにいた職員に「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と激高したとされる。委員は、斎藤氏がエレベーターのドアを開けておく係を置いているかの有無を確認》
委員「エレベーターのドアを開けておく係を配置した。事実か」
斎藤氏「何のことか分からない。記憶にない」
委員「エレベーターを知事がすぐ使える状態になっていない場合、(職員を)注意したことは一度でもあるか」
斎藤氏「そこはちょっと記憶がないです。もちろんゼロじゃないとは思いますが、注意をしたことがあるか、私は正直全く覚えていない」
委員「エレベーターはそもそも多くの人が使う。知事は(自分が)特別に扱われるべきだと考えているか」
斎藤氏「思っていない」
《県内の小学生らへの配布物に、前知事の名前が入っているという理由ですべて差し替えたとの疑惑にも触れる》
委員「小学校1年生に配る博物館に無料で行ける『こころんカード』。過去に配布したカードが斎藤知事の名前がないことを理由として、中学校3年生の分まで9学年すべて入れ替えれたのは事実か」
斎藤氏「そうですね。差し替えを指摘した」
委員「知事の名前が入っていることに事業効果のメリットがあるのか」
斎藤氏「今の知事の名前で使っていただくのがいいというか、まあそういうふうにすべきだと思う」
《委員は斎藤氏の受け答えなどについて、追及を強める»
委員「知事は『私の認識では』とおっしゃる。(指摘された部分の事実関係に)一部欠けている部分があると、大筋で事実でも非を認めない。(アンケートには)県政の進め方そのものに対する批判や基本的な運営姿勢を疑問視する回答が非常に多い。これらの職員の意見に対して、社会通念上、職員は(斎藤氏の要求を)我慢すべき範疇(はんちゅう)という見解と解釈していいか」
斎藤氏「なんて答えていいか分からない。(パワハラを見聞きした回答者の)4割近くの方がいろんな指摘をされたことは真摯に受け止めることが大事。自分の襟を正していきたい」
《最後にひょうご県民連合の委員が質問に立つ。令和3年9月、職員2人を呼び出し、机をたたいて叱責。その行為をパワハラと認識するかをただした》
斎藤氏「一度やった記憶があります。就任直後だったので」
委員「どう考えてもパワハラに該当する。認めるか」
斎藤氏「適切ではなかったと思う。これから(知事として)やっていこうという矢先で思わずやってしまった。いろんな事情があるとはいえ、不適切な行為だったことは確かです。パワハラに該当するかは委員会で認定していただければいいと思う」
=おわり