大阪で『維新が敗北』 自民離党の元府議が箕面市長選を制す 維新公認の現職首長が大阪で落選するのは初 吉村氏が応援も及ばず(2024年8月25日『関西テレビ』)

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当選の挨拶を行う無所属・新人の原田亮さん 25日午後10時40分ごろ
任期満了にともなう大阪府箕面市長選挙の投開票が25日に行われ、無所属の新人で、元大阪府議の原田亮さん(38)が初当選を決めました。
箕面市長選挙には、届け出順に、無所属で新人の原田亮さん(38)、大阪維新の会公認の現職、上島一彦さん(66)、共産党が推薦する無所属の新人、小林友子さん(76)の3人が立候補しています。
■勝利の新人は「自民色」隠した選挙戦 
政策や人物で選ばれる選挙になったら大阪はもっと良くなる」と原田氏
原田さんは、自民党の元大阪府議で、府議団幹事長などを務めましたが、去年の統一地方選挙で維新候補に敗れ落選。
今回は自民党を離党し、無所属として立候補し、子育てや教育の充実などを訴え、初当選を決めました。
原田さんの陣営には、自民党の国会議員や地方議員ら、大阪府連の関係者が支援に入りましたが、いずれも裏方に徹し、「自民色」を隠した選挙戦となりました。
当選確実となった25日午後10時40分すぎ、原田さんは支援者の前で「大政党の現職、大変強い現職相手に大きな差をつけて勝利をつかむことができた」
「『今の箕面市を変えてほしい』『新しい箕面市をつくってほしい』という市民の皆様の応援が、大きなうねりを起こすことができたということで改めて感謝です」
「大阪において現職の維新市長に勝ったという例はありません。そんな中で厳しい戦い『どうせ無理だよ』とか『厳しい戦いになるよ』とかたくさんお声を頂いていた」
「そういった中でも、お一人お一人の支えや激励の声があって戦い抜くことできた。選挙中に本当にたくさんの皆さんから声を頂いた。覚悟を持って強い決意を新たにして挑んでいきたい」
「新しい箕面市のスタートです。一緒になってワクワクする箕面市を作っていきましょう」と挨拶しました。
またその後、記者団の囲み取材に応じ「今回(維新に)初めて勝利をさせて頂くことができたということで、大きな流れが変わるという風に思っています」
「今までは政党で選ばれるような選挙があったという風に思っていますが、今回のように政策であったり、人物で選ばれるような選挙が大阪でも行われるようになったら、大阪はもっと良くなるという風に思っていますんで、その第一歩になる選挙だったと確信をしています」と語りました。
■吉村氏が複数回応援入りも 維新公認の現職首長が大阪府内で落選は初
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戦の挨拶を行う 維新・現職 上島一彦さん
一方の維新の現職、上島さんは、元大阪府議で「松井一郎大阪府知事らとともに北大阪急行の延伸を実現させた」などと訴え、大阪維新の会の吉村洋文代表や横山英幸幹事長が複数回応援に入るなど、維新の会が総力を挙げた選挙戦を展開しましたが、及びませんでした。
維新の会が公認する現職の首長が大阪府内で落選するのは初めてです。
落選となった上島さんは支援者の前で「吉村代表をはじめ、維新の首長や議員の皆さん、連日連夜、酷暑にも関わらず応援いただき、残念な結果となりましたが、ひとえに私の不徳の致すところです。大好きな箕面のために一市民として頑張ってまいります」と述べました。
■「維新の看板ではもう勝てない」と維新関係者
公認の現職首長が大阪初めて落選したことを受け、維新の関係者は関西テレビの取材に対し、「自民公明の水面下での動きがすごかった。自民の覆面に負けた」
「すでに衆議院選挙が始まっている。河内長野で負けて、今回の敗北。衆議院選挙への影響はかなりある。維新の看板ではもう勝てない。これからは、どれだけ個人として頑張れるかが鍵」と語りました。
■「申し訳ない限り」と大阪維新・横山幹事長(大阪市長
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阪維新・横山幹事長(大阪市長)の投稿 Xより
また、大阪維新の会・幹事長で大阪市長の横山英幸氏はSNSの「X」に「箕面市長選挙においては上島一彦候補が当選に至りませんでした。候補・陣営各位におかれては本当にお疲れ様でした。幹事長職として申し訳ない限りです」と投稿しました。
■当選の原田氏は現職上島氏の『約1.8倍』の票を集める
箕面市長選挙の開票結果は以下の通りです。
■無所属・新人 原田亮さん(38)3万2448票
■維新・現職 上島一彦さん(66)1万8309票
■無所属(共産党推薦)・新人 小林友子さん(76)3768票
なお、投票率は49.98パーセントで、前回の市長選から0.64ポイント増えました。
関西テレビ 竹下洋平、髙橋惟)