「万博出禁発言」の市長が発言撤回 吉村代表に「撤回すべき」と言われ主張一転(2024年6月21日)

関西テレビ

大阪維新の会に所属する大阪府箕面市の上島一彦市長が、市議会で万博の無料招待事業の中止を求めた市議に「出入り禁止や」などとヤジを飛ばした問題で、上島市長は当初の主張から一転し「発言撤回」を発表しました。

【LIVE】「万博出禁発言」の市長が発言撤回で会見 上島一彦市長

■「万博行くなよ」「出入り禁止」とヤジ 20日には「撤回や謝罪しない」と発言

今月19日の箕面市議会で、共産党の市議が、万博の無料招待事業について、安全性に疑問があるなどとして中止を求めたところ、上島市長は「万博行くなよ」「出入り禁止や」などとヤジを飛ばしました。 上島市長は20日、記者団に対し「議場に不規則な発言をしたことは慎むべき、以後気をつけるが、自分の本音であり、撤回や謝罪はしない」と話していました。

■「玉川出禁」発言撤回の吉村代表 市長の「ヤジ」に「撤回すべき」と話す

しかし、大阪維新の会の吉村洋文代表は21日、記者団に対し、上島市長と直接話したことを明らかにしました。 吉村代表は、自らがことし3月にテレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターである玉川徹氏に対し「万博を出禁にする」という趣旨の発言をしたことについて「僕自身の発言がひどいと思う」とした上で、上島市長のヤジについても「維新の会としては処分しないが『撤回』した方がいい」と話しました。 また「シャットアウト(出禁)するということはよくないと思いますし、それは実際できないわけですけど、そういったことを言うよりは、丁寧にしんどい状況で課題も多いんだけど、歯を食いしばっても丁寧に説明を尽くしていくということをやるべきだと考えています」と述べました。

■「代表の説得を受けた」と箕面市

これを受け、上島市長は関西テレビの取材に対し「代表の説得を受けたので、撤回したいと考えている。出禁という言葉は不適切だった。万博の成功のためにも、いらぬ疑念は払しょくしたい」と話し、21日午後に「発言の撤回」を発表しました。

■「考えの異なる人間を排除は首長として不適切」

そして、『発言撤回』発表後に開いた会見で上村市長は、「吉村代表の助言が撤回に影響をあたえたのか」との質問に対し、「よくよく考えた上ですが、吉村代表の発言というのは、尊敬すべき代表ですし、その方の助言は素直に受け入れたいという思いがありました」と話し、吉村代表の説得が撤回のきっかけになったと明かしました。 また、「維新は考えの異なる人間を排除(出禁に)するのか」と問われると、「考えの異なる人間を排除するという発言は首長として不適切だったと感じています。自分として至らなかったと思います」と述べました。

■吉村代表の「玉川撤回」発言 知らなかったと市長

さらに、吉村代表の「玉川出禁」発言について「吉村代表が3月でしたっけ、コメンテーターの方にですね、発言をしたことについて撤回をされたということを、私は認識していなくてですね、記者会見の昨日のやりとりの中で『吉村さんは撤回されてますが、市長はどうしますか?』というような(記者の)質問で、初めて知りました」と語り、20日まで吉村代表の「出禁発言」を『知らなかった』と述べました。

関西テレビ


「奢る維新は久しからず」大阪・河内長野市長選で維新が候補擁立断念、急速に衰退する人気の理由(2024年6月21日『SmartFLASH』)
 
《生まれ故郷にさじ投げられるって悲しい》
《いよいよ「奢る維新は久しからず」となって来ましたね》
 6月20日、任期満了に伴う大阪府河内長野市長選(6月30日告示、7月7日投開票)で、地域政党大阪維新の会」が候補者擁立を断念したことが伝わると、Yahoo!ニュースのコメント欄にはこのような書き込みが並んだ。
「というのも、河内長野市大阪維新の会代表の吉村洋文大阪府知事の出身地なんです。そこでの不戦敗ですから、衝撃的です。大阪維新の会の横山英幸幹事長は『候補者が見つからなかった』と擁立しない理由を語りましたが、じつは4月21日におこなわれた大阪府大東市市長選挙でも、大阪維新の会が擁立した新人が負けているんです。
 大東市は、日本維新の会の藤田文武幹事長が保健体育の講師として赴任していた、府立大東高校(現・緑風冠高校)があった地域で、藤田幹事長の選挙区でもありますから、いわばお膝元。2023年4月には、やはり藤田幹事長の選挙区、寝屋川市長選でも維新の新人候補が負けています。
 こうしたことから、河内長野市長選について大阪府政関係者は『これ以上、敗戦を重ねないため、維新は勝ち目がないとみて候補者を立てなかったのだろう』と推測していました」(週刊誌記者)
 そのためニュースサイトには《一昔前までは維新というだけで誰でも入れ食い状態のように当選する状況だったのに、今は候補者が見つからない》といった、党勢の衰えに対する驚きの声もあがっていた。大阪の「維新ブーム」に、かげりが見えてきたのだろうか。
大阪万博の工期遅れや『空飛ぶクルマ』の商用飛行断念、小中高校生の無料招待で自治体首長ともめるなどして、府民はうんざりしています。また、大阪の衆院小選挙区に、公明党の対抗馬として候補者を立てたこともマイナスでした。公明党の支持母体である創価学会が、完全に『反維新』になりましたから。結果、創価学会票が勝敗を大きく左右する地方選挙で、維新は苦戦しているのです」(大阪府政関係者)
「関西圏以外では存在感が薄い」といわれる維新の会が、大阪でも窮地に立たされているとは皮肉だ。