アンケート調査自由記述の主な指摘 兵庫県議会・要旨(2024年8月23日『時事通信』)

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 兵庫県議会の百条委員会が23日に公表した職員アンケート調査の中間報告のうち、自由記述の主な指摘は次の通り。
 丸カッコ内のAは「目撃などにより実際に知っている」、Bは「目撃などにより実際に知っている人から聞いた」と回答。
【斎藤元彦知事の贈答品受け取り】
 ▽地元特産品のPR用の品々を全て持ち帰った(A、無記名)
 ▽視察先で受け取った土産などを秘書課職員らに分けることもなく、独り占めしていると聞いた(B、記名)
 ▽視察の際、スキーウエアを欲しがっていた(B、無記名)
 ▽40万円相当の革ジャンを試着して「これはいい。もらえないか」とおねだり(B、無記名)
 ▽随行職員が用意されたカニの受け取りを断ったのを聞き、私がもらうと言って、その分も持ち帰ったと聞いた(B、無記名)
 ▽赤穂のカキ、豊岡のカニ、青森のリンゴ、自転車、トースター、牛乳、日本酒などの贈答品受け取りを聞いた(B、無記名)
プロ野球優勝パレードの財源確保】
 ▽元副知事からの指示で(金融機関への)補助金が1億円から4億円に増額したと聞いた。ただ、それが(寄付として県への)キックバックにつながっていたのかは知らない(B、無記名)
 ▽補助金を使って企業などに寄付の依頼をしているから何とかなると聞いた(B、無記名)
【知事のパワハラ
 ▽新聞で報じられた「空飛ぶクルマ」の新規事業について、内容は了解済みのはずなのに、「何これ」「聞いてない」と厳しい口調で叱責された(A、記名)
 ▽プレミアム付きデジタル券の広報うちわに関して「私の肝煎り事業だ。顔写真やメッセージを入れてほしい」と指示(A、記名)
 ▽目の前でエレベーターの扉が閉まり、乗り損ねたことに激怒して、県職員に「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と大声で怒鳴りつけた(A=側聞したとも記載、記名)
 ▽自身が出席するイベントや行事にマスコミが来ていないと怒ることは有名(A、無記名)
 ▽イベントに参加するときは髪形セットの場所を用意しないといけない。用意できていないと怒る(A、無記名)
 ▽怒るとバンバン机をたたきだす(A、無記名)
 ▽各部長は日々、「チームズ会議」で叱責され、疲弊している。時間外(夜・土日祝)にもかかわらず連絡がある。2時間以上叱責されることもある(A、無記名)
 ▽公用車の運転手に対して、スマホのルートと違うなどの理由で「何でこんなルートを走っているの」「こんなんで間に合うのか」と運転中に叱責することがあった様子(B、記名)
 ▽モニュメント設置について、担当の若手職員がマスコミに取り上げられた際、聞いていないと激怒したと聞いた(B、無記名)
 ▽公用車内で知事が激怒し、前方座席を蹴った。会議室の温度が低いと怒り、担当課に反省文を提出させた(B、無記名)。 

「処分しないほうがいい」 兵庫県知事側に職員進言 公益通報巡り(2024年8月23日『毎日新聞』)
 
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兵庫県職員アンケートの中間報告が公表されたことを受け、報道陣の取材に応じる斎藤元彦知事=神戸市中央区兵庫県庁で2024年8月23日、山田麻未撮影
 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は23日、パワハラ疑惑を中心に職員6人の証人尋問を非公開で実施した。一連の問題で職員への尋問は初めて。
 百条委の奥谷謙一委員長は尋問後に県庁で記者会見し、元局長の告発後、職員が知事側に「公益通報の結果が出るまで処分しないほうがいい」と進言していたことを明らかにした。
 一連の問題を巡っては、県西播磨県民局長だった男性が3月、知事のパワハラを含む複数の疑惑をまとめた告発文を一部の県議会議員や報道機関に配った。
 元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、「知事らを誹謗(ひぼう)中傷した」と認定し、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。元局長は7月、県内親族宅で亡くなっているのが見つかった。自殺とみられる。
 知事は一貫して告発内容を否定しているが、百条委が実施した県職員アンケートの中間報告では約4割が「知事のパワハラを見聞きした」と回答。自由記述欄では、「知事が打ち合わせの際に『聞いていない』と発言し、ペンを机の上に投げつけてその場が凍りついた」などとする具体例も挙げられているという。
 また、知事が視察先などでカニやカキなど多数の贈答品を受け取っていたとする新たな疑惑の証言が寄せられ、「知事はお土産がない遠足には行かない」との指摘もあった。
 知事は23日午後に県庁で取材に応じ、パワハラ疑惑を巡るアンケート結果について「県政をより良くするために必要な指示や指導をしてきたが、これだけ多くの職員が回答している事実に接し、大変残念な思いだ」と説明。「職員の受け取りとの間にずれが生じていたことによって不快な思いやご負担をかけたことは重く受け止めなければならない」と語った。
 30日には百条委で知事の証人尋問が予定されている。【大野航太郎】

兵庫・斎藤知事めぐる職員の証人尋問終え百条委が会見「結果出るまで処分しない方が、と部下の進言あった」(2024年8月23日『MBSニュース』)
 
23日は、兵庫県の斎藤知事をめぐる百条委員会で、初めてとなる職員6人の証人尋問が行われました。尋問を終えた奥谷謙一委員長ら8人の委員が、午後6時30分から記者会見を行いました。次回、30日の知事に対する尋問については、全面公開する予定となったということです。
【LIVE】会見中 兵庫県・斎藤知事「パワハラ疑惑」証人尋問 語られた内容は?
◆「厳しい叱責を受けた人は結構いました」
奥谷委員長は、元幹部職員の告発に絡み、「公益通報について、『結果が出るまでは処分しない方がいいのでは』という部下からの進言があった」という新たな証言があったことを明らかにしました。
また、パワハラについて、アンケートにあった「エレベーターでの叱責」については、その場にいたと思われる職員に聞いたが、明確に否定することはなかったということです。
また「20m歩かされた」といった行為との関連については、報道されているのと同様の証言が得られたということです。
奥谷委員長は、証言した6人のうち「厳しい叱責を受けた人は結構いました」としつつ、「『パワハラにあたる』と回答した人はいなかったと考えている」と話しました。

「気になったのは斎藤知事が『人づて』を何度も強調」担当記者 知事の発言に違和感(2024年8月23日『FNNプライムオンライン』)
 
 
 
■証人尋問は非公開 「フロアにも」記者近寄れず
関西テレビ神戸支局 鈴村菜央記者:1日で6人の職員の尋問が行われましたが、すべて非公開で、報道陣もフロアに立ち入ることができない厳戒態勢が敷かれていました。 23日の百条委員会の大きな動きは、職員アンケートの中間報告です。 124ページで、職員およそ4500人からの回答がまとまっています。 斎藤知事は23日午後、アンケートについての受け止めを聞かれると、用意した紙を取り出して読み上げる形で回答。 その内容も「コミュニケーションが不足し、不快な思いをさせた」、「よりよい県政をしていきたいという思いだった」などのこれまでの発言と何ら変わらないものでした。
 
■Q一連の真相解明にアンケートの影響は?
発端となった元県民局長の告発文書を「事実無根」、「嘘八百」と切り捨てて処分までした、県や知事の対応への疑問がさらに強まることになる内容と言えます。 23日、私が特に気になったのが、取材対応で齋藤知事が回答について「人づての伝聞が含まれている」ことを何度も強調したことです。 「人づてで違う形で捉えられた」とも繰り返し、回答内容に疑問が残ると強調しているようにも捉えることができます。
■職員は犯人捜し怖く「あえて伝聞で回答」
一方で、これまで私たちが実際にアンケートを提出した職員に取材したところ、「疑惑について直接見たがあえて『人づてに聞いた』と回答した」という方も複数いらっしゃいました。 理由を聞くと、「県のことは信用できず、元県民局長のように犯人捜しされるのが怖い」と話していました。 これまでの知事や県の対応に恐怖心を抱きながら、なんとか回答した職員も一定数いるとみられます。