22日、福島第一原子力発電所で初めてとなる核燃料デブリの試験的な取り出しが、装置の取り付けミスで延期された問題で、東京電力は原因を調べ、対策を取った上で作業の再開を判断することにしています。
ただ、地元からは再発防止の徹底を求める声が上がっていて、早期に再開できるかは不透明な状況です。

福島第一原発2号機では、22日、事故からおよそ13年半で初めてとなる核燃料デブリの試験的な取り出しに着手するため準備作業が行われましたが、取り出し装置の取り付けにミスがあり、直前で延期しました。

取り出し装置は伸縮する細いパイプ状のもので、格納容器の中まで別のパイプで押し込む仕組みになっていますが、装置を格納容器内につながる配管の手前まで進めたところで、5本ある押し込みパイプの並び順が誤っていることに元請け会社の作業員が気づいたということです。

押し込み用のパイプは下請け会社の作業員が7月28日に並べていたということで、1か月近く順番の誤りに気づかれないままでした。

また、東京電力の社員も22日の作業開始にあたって現場での確認は行っていなかったということです。

東京電力は今後、現場での確認の状況などミスに気づかなかった原因を調べ、対策をとった上で作業の再開を判断することにしていますが、福島県からは「県民に大きな不安を与えかねない」として、徹底した再発防止を求められていて、早期に再開できるかは不透明な状況です。