◆強い放射線…回収は3グラム以下
東電によると、作業員が午前7時20分に、建屋内の格納容器に隣接するスペースに設置された装置に細長いパイプを押し込んで、格納容器の空気を遮る隔離弁を通過させた。隔離弁の通過をもって「着手した」と発表した。
今後、計5本のパイプを継ぎ足して20メートルほどに伸ばし、格納容器内の圧力容器の下部まで到達させる。そこから釣り糸をたらすように棒を下ろしていき、先端のはさみのような形の器具で、容器内の底部にたまるデブリの微量をつかみ取る。
つりざお式の装置側から格納容器側を見た様子。パイプが格納容器側に伸びている=東京電力提供
回収するデブリを3グラム以下にするのは、強い放射線を出している可能性があるからだ。作業員の被ばくを抑えるため、回収途中で線量を調べ、1時間当たり24ミリシーベルトを超えた場合は格納容器内に戻し、別のデブリを採取するとしている。
◆本格的な取り出しは時期未定
8月22日に採取着手を試みた際は、直前になってパイプの順番が誤っていたことが判明。東京電力や元請けの三菱重工業の担当者らが確認を怠っていた。その反省を踏まえ、今回の採取では東京電力社員が作業に立ち会い、確認に当たった。