米民主党ハリス氏 投票した代議員の99%の支持を獲得(2024年8月6日『NHKニュース』)

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11月のアメリカ大統領選挙に向けた与党・民主党の代議員によるオンラインの投票が締め切られ、民主党全国委員会は、ハリス副大統領が投票した代議員の99%の支持を獲得したと発表しました。今後、党の大統領候補に正式に指名する手続きを行うとしています。
バイデン大統領の選挙戦からの撤退を受けて与党・民主党は今月1日から5日午後6時、日本時間の6日午前7時まで代議員による投票をオンラインで行いました。
その結果、民主党全国委員会はハリス副大統領が、投票した代議員の99%の支持を獲得したと発表しました。
今後、党の大統領候補に正式に指名する手続きを行うとしています。
ハリス氏は、選挙戦から撤退したバイデン大統領の後継として共和党のトランプ前大統領と対決することになります。
アメリカの主要な政党の大統領候補に女性が指名されるのは8年前、2016年の民主党クリントン国務長官に次いで2人目となります。
今回の選挙戦は、投票日まで3か月余りとなった先月、再選を目指した現職の大統領が撤退を表明し、わずか2週間余りで新たな候補者が確定するという異例の展開となり、民主党としては投票日が迫るなか、党の結束強化を急ぎたい考えです。
また、ハリス氏は6日にも副大統領候補を発表する見通しで、誰を選ぶのかにも関心が集まっています。
米専門家が見るハリス氏の強みとは
アメリカのジョージタウン大学の教授で、黒人女性と政治の関わりに詳しい、ナディア・ブラウン氏がNHKのインタビューに応じ、ハリス氏が世論調査で支持を広げている背景について「多くのアメリカ人が今回の選挙に全く熱狂できずにいた。バイデン氏とトランプ氏の対決に強い不満を抱いている人もいた。ところがバイデン氏が撤退したことで、人々は2020年とは異なる選挙戦になると知り、活気づくことになった」と指摘しました。
そして「ハリス氏は、若者や女性、黒人、ヒスパニック系の人たちを動員することができている。これらは以前、トランプ氏、バイデン氏の双方が取り込もうとしてできなかった層で、ハリス氏のアイデンティティや政策、政権でこの4年間にやってきたことがこうした人たちを動かしている」と分析しました。
そして、ブラウン氏は、今後、ハリス氏が勢いを維持していけるかどうかの鍵について「ハリス氏はアメリカの国民に向かって自分はどのような人間で、何に依拠し、なぜ国民が11月5日の投票日に自分を支持するべきなのかを行動によって説明しなければならない」と指摘しました。