ハリス氏、米民主の大統領候補に決定 「女性初」へ挑戦(2024年8月3日『日本経済新聞』)

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ハリス氏は米国で初の女性大統領を目指す(7月23日)=ロイター
【ワシントン=坂口幸裕】米民主党は2日、1日始まった11月の米大統領選を戦う党候補を指名するオンライン投票で、カマラ・ハリス副大統領が指名獲得に必要な代議員の過半数を確保したと発表した。共和党の候補者に指名されたトランプ前大統領との対決が確定した。
ハリス氏は2日、民主党のオンライン配信の番組で「民主党の次期大統領候補となることを光栄に思う。来週に指名投票が終了すれば、正式に指名を受諾する」と述べた。「すでに指名の獲得に十分な代議員が確保したと知ってうれしい」と話した。
トランプ氏との選挙戦について「この選挙でどのような国に住みたいのかという問いに直面している」と主張。「自由と思いやりと法の支配の国に住みたいのか、それとも混乱と恐怖と憎しみの国に住みたいのか」と唱え、対決姿勢を鮮明にした。
「民主主義の素晴らしさは、我々一人ひとりがその問いに答える力を持っていることだ。その力は国民にあると信じている。この選挙に勝利する」と強調した。
1日午前9時(日本時間同日午後10時)に開始した投票は5日午後6時(同6日午前7時)に締め切る。19〜22日に中西部イリノイ州シカゴで開く党全国大会で指名受諾演説に臨み、自身が描く国家像や政策などについて説明する見通しだ。
ハリス氏は「ひとつの党として団結してシカゴに集まり、この歴史的瞬間をともに祝う機会を持つ」と語った。
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民主党全国委員会のハリソン委員長は「ハリス副大統領が全代議員の過半数以上の票を獲得し、5日の投票締め切り後に民主党の候補者となると確認できることを大変誇りに思う」と表明した。
ハリス氏は現在59歳で、インド系の母とジャマイカ系の父を持つ。2021年に黒人、女性、アジア系として初めて副大統領に就いた。西部カリフォルニア州司法長官や上院議員などを歴任した。16年大統領選のヒラリー・クリントン氏以来、主要政党では2人目の女性候補で、米国で初の女性大統領を目指す。
2月に始まった民主の大統領候補を選ぶ予備選はすでに終了し、バイデン大統領が大半の代議員を獲得して候補指名を確実にしていた。再選を断念した同氏は後継候補にハリス氏を推すと表明した。代議員は後継候補を自由に選べるものの、立候補したのはハリス氏だけだった。
通常は党全国大会で候補者の指名投票を実施する。今回異例のオンラインとなったのは、中西部オハイオ州が州法で候補者選定の期限を8月7日までと定めたのがきっかけだった。投票まで残り3カ月となり、バイデン氏の撤退で仕切り直しとなった選挙戦の論戦が本格化する。
米リアル・クリア・ポリティクス(RCP)が集計した7月22〜31日の全米調査の平均ではトランプ氏の支持率が47.7%、ハリス氏が46.5%で競る。21日にバイデン氏が選挙戦からの撤退を表明する直前はトランプ氏が47.9%、バイデン氏が44.8%だった。
一方、バイデン氏との戦いではトランプ氏が優勢だった激戦7州は変化の兆しが出ている。ハリス氏が支持率でリードしたり、差を縮めたりする州が出始めた。
過去の大統領選では選挙のたびに勝利政党が変わる「スイングステート(揺れる州)」の結果が趨勢を決めた。16年大統領選では、激戦7州のうち6州を獲得した共和党のトランプ氏が勝った。20年は6州を取ったバイデン氏が当選した。
米CNNテレビによると、ハリス氏は副大統領候補との面談を週内にも始める。エリック・ホルダー元米司法長官がトップを務める選考チームが候補者の財政状況や家族構成など身辺調査を実施し、党の弁護士などと審査している。
選挙戦を一緒に戦う副大統領候補を6日までに選ぶ構えだ。東部ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事のほか、西部アリゾナ州選出のマーク・ケリー上院議員、中西部ミネソタ州のティム・ワルツ知事らが取り沙汰されている。
CNNは南部ケンタッキー州のアンディ・ビシア知事、ピート・ブティジェッジ運輸長官も候補に残っているものの、他の3人が有力になっていると伝えた。
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ハリス氏は米国で初の女性大統領を目指す(7月23日)=ロイター
【ワシントン=坂口幸裕】米民主党は2日、1日始まった11月の米大統領選を戦う党候補を指名するオンライン投票で、カマラ・ハリス副大統領が指名獲得に必要な代議員の過半数を確保したと発表した。共和党の候補者に指名されたトランプ前大統領との対決が確定した。
ハリス氏は2日、民主党のオンライン配信の番組で「民主党の次期大統領候補となることを光栄に思う。来週に指名投票が終了すれば、正式に指名を受諾する」と述べた。「すでに指名の獲得に十分な代議員が確保したと知ってうれしい」と話した。
トランプ氏との選挙戦について「この選挙でどのような国に住みたいのかという問いに直面している」と主張。「自由と思いやりと法の支配の国に住みたいのか、それとも混乱と恐怖と憎しみの国に住みたいのか」と唱え、対決姿勢を鮮明にした。
「民主主義の素晴らしさは、我々一人ひとりがその問いに答える力を持っていることだ。その力は国民にあると信じている。この選挙に勝利する」と強調した。
1日午前9時(日本時間同日午後10時)に開始した投票は5日午後6時(同6日午前7時)に締め切る。19〜22日に中西部イリノイ州シカゴで開く党全国大会で指名受諾演説に臨み、自身が描く国家像や政策などについて説明する見通しだ。
ハリス氏は「ひとつの党として団結してシカゴに集まり、この歴史的瞬間をともに祝う機会を持つ」と語った。
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民主党全国委員会のハリソン委員長は「ハリス副大統領が全代議員の過半数以上の票を獲得し、5日の投票締め切り後に民主党の候補者となると確認できることを大変誇りに思う」と表明した。
ハリス氏は現在59歳で、インド系の母とジャマイカ系の父を持つ。2021年に黒人、女性、アジア系として初めて副大統領に就いた。西部カリフォルニア州司法長官や上院議員などを歴任した。16年大統領選のヒラリー・クリントン氏以来、主要政党では2人目の女性候補で、米国で初の女性大統領を目指す。
2月に始まった民主の大統領候補を選ぶ予備選はすでに終了し、バイデン大統領が大半の代議員を獲得して候補指名を確実にしていた。再選を断念した同氏は後継候補にハリス氏を推すと表明した。代議員は後継候補を自由に選べるものの、立候補したのはハリス氏だけだった。
通常は党全国大会で候補者の指名投票を実施する。今回異例のオンラインとなったのは、中西部オハイオ州が州法で候補者選定の期限を8月7日までと定めたのがきっかけだった。投票まで残り3カ月となり、バイデン氏の撤退で仕切り直しとなった選挙戦の論戦が本格化する。
米リアル・クリア・ポリティクス(RCP)が集計した7月22〜31日の全米調査の平均ではトランプ氏の支持率が47.7%、ハリス氏が46.5%で競る。21日にバイデン氏が選挙戦からの撤退を表明する直前はトランプ氏が47.9%、バイデン氏が44.8%だった。
一方、バイデン氏との戦いではトランプ氏が優勢だった激戦7州は変化の兆しが出ている。ハリス氏が支持率でリードしたり、差を縮めたりする州が出始めた。
過去の大統領選では選挙のたびに勝利政党が変わる「スイングステート(揺れる州)」の結果が趨勢を決めた。16年大統領選では、激戦7州のうち6州を獲得した共和党のトランプ氏が勝った。20年は6州を取ったバイデン氏が当選した。
米CNNテレビによると、ハリス氏は副大統領候補との面談を週内にも始める。エリック・ホルダー元米司法長官がトップを務める選考チームが候補者の財政状況や家族構成など身辺調査を実施し、党の弁護士などと審査している。
選挙戦を一緒に戦う副大統領候補を6日までに選ぶ構えだ。東部ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事のほか、西部アリゾナ州選出のマーク・ケリー上院議員、中西部ミネソタ州のティム・ワルツ知事らが取り沙汰されている。
CNNは南部ケンタッキー州のアンディ・ビシア知事、ピート・ブティジェッジ運輸長官も候補に残っているものの、他の3人が有力になっていると伝えた。

民主党、ハリス氏を大統領候補に来週指名へ 代議員の過半数確保(2024年8月3日『毎日新聞』)
 
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集会で演説するハリス米副大統領=米南部テキサス州で2024年7月31日、AP
 米民主党は2日、11月の大統領選の候補者を決める代議員によるオンライン投票で、ハリス副大統領(59)が指名獲得に必要な代議員の過半数を確保したと発表した。ハリス氏は5日の投票締め切り後に正式に指名される。主要政党で女性が候補者になるのは、2016年大統領選のヒラリー・クリントン氏に次いで二人目で、黒人、アジア系の女性では初めてとなる。
 ハリス氏は1日に始まったオンライン投票で代議員の過半数を獲得したとの党の発表を受けて、X(ツイッター)で「民主党の大統領候補者となることを光栄に思う。来週正式に指名を受ける」と述べた。
 ハリス氏は6日までに副大統領候補を発表する見通しで、19~22日に中西部イリノイ州シカゴで開く党全国大会で指名受諾演説に臨む。
 民主党の大統領候補指名を巡っては、再選を目指したバイデン大統領(81)が2~6月に実施された予備選・党員集会のほとんどで勝利。各州・地域に割り当てられた代議員計約3900人の大半を獲得した。この代議員はバイデン氏への投票を「誓約」しており、バイデン氏はオンラインによる投票で正式に指名される見通しだった。
 だが、バイデン氏は6月下旬にあったトランプ前大統領(78)とのテレビ討論会で言葉に詰まるなど精彩を欠き、高齢による衰えへの懸念が再燃。党内やメディアから撤退を求める声が強まり、7月21日に撤退を表明。その際、後任の大統領候補としてハリス氏を推薦していた。【ワシントン松井聡】