フェンシング 加納虹輝が金メダル 男子エペ個人 パリ五輪(2024年7月29日『NHKニュース』)

 #フェンシング

パリオリンピック、フェンシング男子エペ個人で加納虹輝選手が金メダルを獲得しました。フェンシングの個人種目で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてです。

前回の東京大会で日本フェンシング界初の金メダルを獲得した団体のメンバーで、エースの加納選手は、初戦から順調に勝ち上がりました。

準決勝では、ハンガリーのティボル・アンドラーシュフィ選手と対戦し、残り5秒で追いつかれたものの、延長戦で積極的に攻めて、この種目で初めてとなる決勝に進みました。

そして決勝では、地元フランスのヤニック・ボレル選手と対戦しました。

ボレル選手は3回戦で加納選手のチームメイトの見延和靖選手、それに準々決勝で同じくチームメイトの山田優選手を破って勝ち進んできました。

体が大きくリーチのあるボレル選手に対し、加納選手は素早い動きで序盤から積極的に懐へ飛び込んでいき、第2ピリオドで連続でポイントを重ね、一気に差を広げました。

そして、加納選手は最終の第3ピリオドで15ポイントを先取して15対9で快勝し、前回の団体に続いて金メダルを獲得しました。

フェンシングの個人種目で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてです。

フェンシング男子エペ個人の銅メダルは、エジプトのムハマド・エルサイード選手でした。

“自分史上最強” で歴史に名を刻む

『フェンシング人生のなかでいまが一番強い。金メダルをとれる可能性はかなり高い』。

ことし5月、加納虹輝選手は大勢のメディアが詰めかけた取材の場でそう宣言しました。

ふだんは控えめな加納選手の口から出た自信に満ちた言葉。

落ち着いた様子からそれはリップサービスではなく心から思っていることだと直感できました。

転機はエペ団体のメンバーとして日本フェンシング界初の金メダルに輝いた東京オリンピックでした。

まさに“シンデレラボーイ”。

試合を締めるアンカーとして歴史的な優勝を決める舞台に立ったことで自信を深め、ポテンシャルを一気に開花させました。

身長1メートル73センチとフェンシングの選手としてはひときわ小柄ながらも、一瞬のスピードと幼いころの器械体操で培った体幹を生かして、低い姿勢からの攻撃で貪欲にポイントを奪うスタイル。

東京大会以降の3年間、国際大会の個人で優勝を果たして男子エペの世界ランキングでも一時1位に立つなど、世界の舞台で躍進する日本フェンシング界の男子のエースとしてけん引し続けました。

自身2回目のオリンピック。

東京大会と異なる有観客開催で、しかも競技の本場であるフランスで行われる大会にも初戦を終えたあとには「ふだんの大会と変わらない」と話し、落ち着いた様子でした。

危なげなく順調に勝ち上がり、準決勝ではハンガリーの選手を相手に延長戦で先にポイントを取った方が勝つ1本勝負に入りましたが、その1ポイントをもぎとる精神的な強さも見せました。

試合直後には喜びをぐっとこらえ、「うれしいがあくまで金を狙っている」と話した加納選手。

決勝では地元フランスのエース、ヤニック・ボレル選手と対戦し、会場のほとんどが相手を応援する厳しい雰囲気のなかでも落ち着いて終始、試合を優位に進めました。

日本選手2人を破って決勝に進んだ相手にしっかりとリベンジを果たして目標の金メダルを獲得。

“自分史上最強”。

そのことば通りの姿をオリンピックという最高の舞台で見せました。

個人での金メダルは日本フェンシング界では太田雄貴さんでさえなしえなかった快挙です。

加納選手は、いまはっきりとその名を歴史に刻みました。

フェンシング 加納虹輝が金メダル 男子エペ個人 パリ五輪

 #フェンシング

パリオリンピック、フェンシング男子エペ個人で加納虹輝選手が金メダルを獲得しました。フェンシングの個人種目で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてです。

前回の東京大会で日本フェンシング界初の金メダルを獲得した団体のメンバーで、エースの加納選手は、初戦から順調に勝ち上がりました。

準決勝では、ハンガリーのティボル・アンドラーシュフィ選手と対戦し、残り5秒で追いつかれたものの、延長戦で積極的に攻めて、この種目で初めてとなる決勝に進みました。

そして決勝では、地元フランスのヤニック・ボレル選手と対戦しました。

ボレル選手は3回戦で加納選手のチームメイトの見延和靖選手、それに準々決勝で同じくチームメイトの山田優選手を破って勝ち進んできました。

体が大きくリーチのあるボレル選手に対し、加納選手は素早い動きで序盤から積極的に懐へ飛び込んでいき、第2ピリオドで連続でポイントを重ね、一気に差を広げました。

そして、加納選手は最終の第3ピリオドで15ポイントを先取して15対9で快勝し、前回の団体に続いて金メダルを獲得しました。

フェンシングの個人種目で日本選手が金メダルを獲得するのは初めてです。

フェンシング男子エペ個人の銅メダルは、エジプトのムハマド・エルサイード選手でした。

“自分史上最強” で歴史に名を刻む

『フェンシング人生のなかでいまが一番強い。金メダルをとれる可能性はかなり高い』。

ことし5月、加納虹輝選手は大勢のメディアが詰めかけた取材の場でそう宣言しました。

ふだんは控えめな加納選手の口から出た自信に満ちた言葉。

落ち着いた様子からそれはリップサービスではなく心から思っていることだと直感できました。

転機はエペ団体のメンバーとして日本フェンシング界初の金メダルに輝いた東京オリンピックでした。

まさに“シンデレラボーイ”。

試合を締めるアンカーとして歴史的な優勝を決める舞台に立ったことで自信を深め、ポテンシャルを一気に開花させました。

身長1メートル73センチとフェンシングの選手としてはひときわ小柄ながらも、一瞬のスピードと幼いころの器械体操で培った体幹を生かして、低い姿勢からの攻撃で貪欲にポイントを奪うスタイル。

東京大会以降の3年間、国際大会の個人で優勝を果たして男子エペの世界ランキングでも一時1位に立つなど、世界の舞台で躍進する日本フェンシング界の男子のエースとしてけん引し続けました。

自身2回目のオリンピック。

東京大会と異なる有観客開催で、しかも競技の本場であるフランスで行われる大会にも初戦を終えたあとには「ふだんの大会と変わらない」と話し、落ち着いた様子でした。

危なげなく順調に勝ち上がり、準決勝ではハンガリーの選手を相手に延長戦で先にポイントを取った方が勝つ1本勝負に入りましたが、その1ポイントをもぎとる精神的な強さも見せました。

試合直後には喜びをぐっとこらえ、「うれしいがあくまで金を狙っている」と話した加納選手。

決勝では地元フランスのエース、ヤニック・ボレル選手と対戦し、会場のほとんどが相手を応援する厳しい雰囲気のなかでも落ち着いて終始、試合を優位に進めました。

日本選手2人を破って決勝に進んだ相手にしっかりとリベンジを果たして目標の金メダルを獲得。

“自分史上最強”。

そのことば通りの姿をオリンピックという最高の舞台で見せました。

個人での金メダルは日本フェンシング界では太田雄貴さんでさえなしえなかった快挙です。

加納選手は、いまはっきりとその名を歴史に刻みました。

 

==ここまでの勝ち上がり==

 

準決勝 延長戦で勝利

パリオリンピック、フェンシング男子エペ個人の準決勝が行われ、加納虹輝選手が決勝進出を決め、銀メダル以上が確定しました。

この種目で日本のエースの加納選手は、準決勝でハンガリーのティボル・アンドラーシュフィ選手と対戦し延長戦で勝って決勝進出を決めました。

この種目で日本選手がメダルを獲得するのは初めてです。

準々決勝 一度もリード奪われることなく勝利

パリオリンピックは、フェンシング男子エペ個人が行われ、エースの加納虹輝選手が準決勝進出を決めました。

この種目で日本のエースの加納選手は、2回戦と3回戦を順調に勝ち上がり、準々決勝でカザフスタンのルスラン・クルバノフ選手と対戦しました。

試合は加納選手が第1ピリオドから試合を優位に進め、相手に一度もリードを奪われることなく15対6で勝って、準決勝進出を決めました。

見延和靖は3回戦 山田優は準々決勝で敗退

一方、東京大会の団体で加納選手とともに金メダルを獲得したメンバーの見延和靖選手は、地元フランスのヤニック・ボレル選手に敗れ、3回戦で姿を消しました。

また、同じく東京大会の団体メンバー山田優選手も、ヤニック選手と準々決勝で対戦し、延長戦の末、敗れました。

「ももぺっちん」は決まったが… 山田優 惜敗に「悔しい」

山田優選手は準々決勝で地元フランスのエース、ヤニック・ボレル選手と延長戦となり、先に1ポイントを取ったほうが勝つ1本勝負の末に惜敗しました。

会場のグランパレはフランス人の観客で埋まり、試合中は国歌で応援したりボレル選手がポイントを取ると大声援で後押ししたりするなど、山田選手にとって厳しい雰囲気につつまれました。

ただその中でも、東京オリンピックのエペ団体の金メダルメンバーである山田選手は落ち着いていました。

みずから「ももぺっちん」と名付けた、剣をしならせて相手のももを軽くたたく必殺技で序盤からペースを握り、終盤まで試合をリードしました。

最後は、地元の応援を受けて執念を見せる相手に逆転負けを喫しましたが、金メダリストとしての意地を見せました。

山田選手は試合後「『ももぺっちん』がばんばん決まっていたが、1回失敗したときにどこからか『行くな』という声が聞こえた気がして、もうやらないほうがいいのかと疑い始め、そこからガタガタと崩れてしまった。絶対に勝てると思ったので悔しい」と何度も唇をかみながら話しました。

そのうえで「男子エペは皆がコンディションがいい。しっかりと休んで準備してフランスにリベンジしたい」と、2連覇がかかる団体に気持ちを切り替えていました。

見延和靖 “団体戦ジーンとさせられるような試合を”

3回戦で同じボレル選手に敗れた見延和靖選手は、悔しそうな表情を見せながらも「本番は団体戦だと思っている。あと数日あるので、今回の反省をするとともにリカバリーして調整していきたい。感動を、ジーンとさせられるような試合を届けたい」と、東京大会の金メダルで話題となった「エペジーーン」の再来を期していました。

==ここまでの勝ち上がり==

準決勝 延長戦で勝利

パリオリンピック、フェンシング男子エペ個人の準決勝が行われ、加納虹輝選手が決勝進出を決め、銀メダル以上が確定しました。

この種目で日本のエースの加納選手は、準決勝でハンガリーのティボル・アンドラーシュフィ選手と対戦し延長戦で勝って決勝進出を決めました。

この種目で日本選手がメダルを獲得するのは初めてです。

準々決勝 一度もリード奪われることなく勝利

パリオリンピックは、フェンシング男子エペ個人が行われ、エースの加納虹輝選手が準決勝進出を決めました。

この種目で日本のエースの加納選手は、2回戦と3回戦を順調に勝ち上がり、準々決勝でカザフスタンのルスラン・クルバノフ選手と対戦しました。

試合は加納選手が第1ピリオドから試合を優位に進め、相手に一度もリードを奪われることなく15対6で勝って、準決勝進出を決めました。

見延和靖は3回戦 山田優は準々決勝で敗退

一方、東京大会の団体で加納選手とともに金メダルを獲得したメンバーの見延和靖選手は、地元フランスのヤニック・ボレル選手に敗れ、3回戦で姿を消しました。

また、同じく東京大会の団体メンバー山田優選手も、ヤニック選手と準々決勝で対戦し、延長戦の末、敗れました。

「ももぺっちん」は決まったが… 山田優 惜敗に「悔しい」

山田優選手は準々決勝で地元フランスのエース、ヤニック・ボレル選手と延長戦となり、先に1ポイントを取ったほうが勝つ1本勝負の末に惜敗しました。

会場のグランパレはフランス人の観客で埋まり、試合中は国歌で応援したりボレル選手がポイントを取ると大声援で後押ししたりするなど、山田選手にとって厳しい雰囲気につつまれました。

ただその中でも、東京オリンピックのエペ団体の金メダルメンバーである山田選手は落ち着いていました。

みずから「ももぺっちん」と名付けた、剣をしならせて相手のももを軽くたたく必殺技で序盤からペースを握り、終盤まで試合をリードしました。

最後は、地元の応援を受けて執念を見せる相手に逆転負けを喫しましたが、金メダリストとしての意地を見せました。

山田選手は試合後「『ももぺっちん』がばんばん決まっていたが、1回失敗したときにどこからか『行くな』という声が聞こえた気がして、もうやらないほうがいいのかと疑い始め、そこからガタガタと崩れてしまった。絶対に勝てると思ったので悔しい」と何度も唇をかみながら話しました。

そのうえで「男子エペは皆がコンディションがいい。しっかりと休んで準備してフランスにリベンジしたい」と、2連覇がかかる団体に気持ちを切り替えていました。

見延和靖 “団体戦ジーンとさせられるような試合を”

3回戦で同じボレル選手に敗れた見延和靖選手は、悔しそうな表情を見せながらも「本番は団体戦だと思っている。あと数日あるので、今回の反省をするとともにリカバリーして調整していきたい。感動を、ジーンとさせられるような試合を届けたい」と、東京大会の金メダルで話題となった「エペジーーン」の再来を期していました。