◆成形しすぎず、元の形を大切に
雨ざらしになった玄関の式台やほこりをかぶった床板。バールで外し、表面を削って金属製の脚を取り付ければ立派なテーブルといすが出来上がる。デザインを重視して成形しすぎない。元の形を大切にする。
◆曲がった木、むき出しの木材…古民家に魅せられ脱サラ
輪島高校を卒業後、大阪市の設計事務所に勤め、大手ビジネスホテルなどを設計していたが「規格が決まっているので、工業製品を作っている感覚。量産型に飽きてしまった」と退職し、昨秋に富来高田に事務所を構え、事業を始めた。
ビルばかり設計してきたからこそ、梁(はり)に曲がった木が使われていたり、木材の組み合わせ部分がむき出しになっていたりする古民家の魅力に取りつかれた。「眺めていると、昔の大工の姿が想像できるし、知恵と職人技を体感できる」
◆「古い物っておもしろい」文化をつくりたい
解体後の木材の多くはウッドチップにリサイクルされる。「原形が想像できないチップにするのはもったいない」。廃材ではなく宝の山。形あるものに残すために、救い出してリメークする取り組みを始めた。