またも波紋…共和党・副大統領候補の過去発言 「維新の元ネタはこれか」「バンズ府知事」ネットで類似性指摘する声(2024年7月27日『中日スポーツ』)

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トランプ前大統領
 共和党の副大統領候補バンス上院議員(39)が、子どもの数だけ親に投票権を与えるという過去の発言が掘り起こされて波紋が広がっていると、毎日新聞が報じた。バンス氏を巡っては、ハリス副大統領ら出産経験のない女性たちを過去に中傷したとして非難が殺到している最中。ネット上では、日本維新の会の政策に類似した今回の発言内容に着目する書き込みが目立った。
 米紙などを元に報じた毎日新聞によると、問題となっているのはバンス氏による2021年に保守派の教育団体での演説。米国で保守派の文化的な影響力を保つために出産の奨励を主張し、「この国のすべての子どもたちに投票権を与えよう。その投票権は子どもたちの親に委ねよう」と述べたという。
 バンス氏は同じく2021年にテレビ出演した際に、侮蔑的な意味合いが強いキャット・レディー(猫好きの女性)との言葉を使って、ハリス氏ら民主党の幹部を断じたとして、強い非難にさらされている。
 またしても、希望しても子どもを持てない人や、子どもを持たない選択をした人たちから反発を受けうる発言が掘り起こされたかっこうで、X(旧ツイッター)には、「トランプを支えるどころかマイナス点ばっかりやん」「共和党には逆風になるのでは…?」「本当に前近代的な思想」などのコメントが上がった。
 中でも目立ったのは、今回持ち上がったバンス氏の発言は、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)が今年5月、次期衆院選の党公約に盛り込む考えを表明し、大きな波紋を広げた「0歳児選挙権」とそっくりだと指摘する投稿。「似たような発言を日本で聞いたようなぁ…確か大阪…」「あ、維新の吉村大阪府知事の元ネタは、これか」「ひげの生えたヨシムラかw」「バンス大阪府知事」などの書き込みが相次いだ。

バンス氏「子供の数だけ親に投票権追加を」 過去発言がまた波紋(2024年7月27日『毎日新聞』)
 
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共和党副大統領候補のバンス上院議員=2024年7月22日、AP
 11月の米大統領選へ向けて共和党の副大統領候補に指名されたJ・D・バンス上院議員(39)が、子を持つ親により多くの投票権を与えるべきだと訴える過去の発言が掘り起こされ、波紋を広げている。
 米紙ワシントン・ポストなどによると、投票権を巡る発言は2021年に保守派の教育団体での演説の際にあった。バンス氏は米国で保守派の文化的な影響力が維持できなくなると危惧した上で、「文明の危機」を回避するために出産を奨励する必要があると主張。「この国のすべての子どもたちに投票権を与えよう。その投票権は子どもたちの親に委ねよう」と述べた。
 さらに子を持つ親の権利強化を認めるべきだと強調し、「この国の未来にそれほど投資していないのであれば、同じ発言力を持つべきではないかもしれない」と続けた。
 今後、希望しても子どもを持てなかった人や家族を持たない選択をした人たちの権利を損なう発言として、批判を集めそうだ。ワシントン・ポストによると、バンス氏の広報担当者は「親の権利強化に関する思考実験に過ぎず、具体的な政策提案ではない」と話した。
 バンス氏には3人の子どもがいる。バンス氏は民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)らを「子どもがいない惨めな変わり者」と中傷した過去のインタビュー映像がソーシャルメディアで拡散し、大きな反発を招いたばかり。民主党の大統領候補選出が確実視されるハリス氏は、夫の2人の連れ子を育ててきた。【ニューヨーク八田浩輔】