◆「道具をくれれば早く仕事を終わらせる」
ネタニヤフ氏は2015年以来、4度目となる米議会での演説で、戦闘の正当性を強調し「米国とイスラエルは共に立ち上がらなければならない」と主張。
ネタニヤフ首相のX(旧ツイッター)
「われわれに道具を早く与えれば、より早く仕事を終わらせることができる」と述べ、軍事支援の強化を求めた。「テロの枢軸」と呼ぶイランとの対立を「野蛮と文明の衝突」と表現し、共闘を呼びかけた。
一方、ガザ地区で4万人近くの犠牲者を出している戦闘の長期化は、バイデン政権の支持率低迷の一因とされ、党の大統領候補指名を確実にしたハリス氏にとって大きな懸念材料だ。
◆民主党議員は数十人が欠席
米メディアによると、ネタニヤフ氏の演説には数十人の民主党議員が欠席。外国の指導者による議会演説には上院議長を兼ねる副大統領が出席することが慣例だが、ハリス氏は姿を見せなかった。ハリス陣営は「先に別の予定が入っていた」と説明した。
議事堂の周りには若者や子育て世代、アラブ系の市民らが大挙して押し寄せ、「バイデン政権はジェノサイド(民族大量虐殺)への加担をやめろ」と声を張り上げた。
◆「戦争犯罪に税金が…許せない」
批判の矛先はハリス氏にも向けられ、元軍人の女性(39)は「ハリス氏はバイデン氏にずっと歩調を合わせてきた。私たちの税金が戦争犯罪に使われていることは許せない」と語った。配達員の男性(26)も「ハリス氏はバイデン氏の政策を引き継ぐことが予想され、期待もないし、投票もしない」と話した。
バイデン、ハリス両氏は停戦の実現に向けて、25日にネタニヤフ氏と会談する。ただ、同氏は26日に共和党のトランプ前大統領とも会談を予定。大統領選を前に、親イスラエルの姿勢を鮮明に打ち出すトランプ氏との関係を強化することで、民主党政権を揺さぶる狙いもあるとみられる。
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