【ロサンゼルス共同】「米国の副大統領候補がこんなことを言うなんて」―。共和党の副大統領候補、バンス上院議員が出産経験のない女性を中傷した過去の発言について、人気ドラマ「フレンズ」で知られる俳優ジェニファー・アニストンさんは24日、「本当に信じられない」と批判した。アニストンさんは不妊に悩み、体外受精を試みたことがある。
バンス氏は2021年、保守系FOXニュースのインタビューで米国が「子どもがいない惨めな人生を送るキャット・レディー(猫好きの女性)」の影響下にあると主張。当時の動画が掘り起こされ、非難が殺到している。
J・アニストンさん、米共和党副大統領候補の「子なし女性」発言を痛烈批判(2024年7月26日『CNN.co.jp』)
J・アニストンさんが、共和党副大統領候補のJ・D・バンス氏の過去の発言を批判した(CNN)
問題の発言はバンス氏が2021年のオハイオ州上院議員選挙中にテレビ番組に出演したときのもの。「米国は子どものいない猫好きの女性たちに牛耳られている。こうした女性たちは自分の人生や自身のこれまでの選択に惨めな思いをしており、国も惨めにしたいと思っている」と発言した。
この発言は今週になってソーシャルメディア上で再び注目を集め、その時の番組の映像も出回っている。番組の中でバンス氏はハリス副大統領やブティジェッジ運輸長官、オカシオコルテス下院議員の名前を挙げて、「民主党の未来は子どものいない人たちによってコントロールされているのは紛れもない事実だ」とも述べている。また、国に対して直接的な関心を特段払わない人々に国家運営を任せるのは理にかなっていないとも発言している。
アニストンさんは普段私生活を明らかにすることはないが、自身の不妊治療についての経験は公にしている。
女性の生殖の権利に極めて偏った見方を示しているバンス氏に向けて、アニストンさんは「私が言えるのは、あなたの娘が幸運にもいつの日か出産できることを祈っている、ということくらい」と投稿した。「あなたの娘が第二の選択肢として体外受精に頼る必要がないことを祈っている」とも書いた。
ジェニファー・アニストン(ロイター)
米女優ジェニファー・アニストン(55)が25日、共和党の副大統領候補J・D・バンス上院議員が過去に「子どものいないキャットレディ(猫好き女性)」と発言したことを痛烈に批判した。自身のインスタグラムのストーリーで、この発言についての投稿のスクリーンショットを共有し、「これが米国の副大統領候補の口から出てくるなんて到底信じれない」とコメント。「あなたの娘さんが、いつの日か幸運にも自分の子どもを産めることを祈っています。第2の選択肢として対外受精に頼らないことを願っています」とつづった。
バンス氏は、2021年のオハイオ州上院議員選挙中に米FOXニュースに出演し、「自分の人生や自分が下した選択に惨めな思いをしており、国の残り部分も惨めにしたいと思っている子どものいない猫好き女性に米国は牛耳られている」と発言し、民主党を批判していた。
「子どもいない惨めな人生」出産経験ない女性中傷…共和党副大統領候補、バンス氏に批判(2024年7月26日『日テレNEWS NNN』)
バンス上院議員は2021年、保守系メディアFOXのインタビューに応じた際、ハリス副大統領ら出産経験のない女性らを「子どものいない惨めな人生を送るキャット・レディー」などと中傷する発言をしていました。キャット・レディーには「社会的に孤立した女性」「変わり者」など侮辱的な意味あいで使われることが多く、この動画はSNSで拡散され、非難が殺到しています。
また、ハリス氏のほか同性愛者で養子を迎えたことを公表しているブティジェッジ運輸長官などを名指しして、「民主党の将来は子どものいない人々によって支配されている」などと発言していました。バンス氏の過去の発言に、芸能界など多方面から非難の声が上がっていて、波紋はさらに広がりそうです。
ブティジェッジ運輸長官