米軍関係者による性犯罪の摘発が1989年(平成元年)以降、今年5月までに全国で計166件に上っていたことが、警察庁への取材でわかった。公表するか否かは各都道府県警の判断で、どの程度が地元自治体に情報共有されていたかはわからないという。
警察庁によると、対象とした米軍関係者は軍人のほか軍属やその家族ら。罪種別では、現在の不同意性交(罪名変更前の強姦(ごうかん)、強制性交など)事件が91件で、不同意わいせつ(同強制わいせつなど)事件が75件だった。
2014年以降の過去10年間では青森、岩手、埼玉、東京、神奈川、広島、山口、福岡、長崎、沖縄の1都9県の警察で摘発があり、沖縄県警が16件、警視庁が14件、山口県警が4件、神奈川県警が3件などだった。
青森県では2件あり、いずれも米軍三沢基地(三沢市)所属の軍人が強制性交容疑などで書類送検されたが不起訴となった事案で、公表されていなかった。県警は「被害者のプライバシーや社会的反響の大きさなどを勘案する」としている。県と三沢市によると、いずれも国から連絡はなかった。
神奈川県にも国から情報共有はなく、担当者は「情報を持っていたのであれば、改善を求めたい」と述べた。