経団連、自民への政治献金呼びかけ 11年連続で政策を「高く評価」 政治とカネ巡る不信感高まる中でも(2024年10月7日『東京新聞』)

 
 経団連は7日、政治献金の判断基準とする主要政党の政策評価を発表した。政治とカネを巡り自民党への不信感が高まっているにもかかわらず、与党の政策を「高く評価できる」として、例年通り傘下の企業・団体に自民党への政治献金を呼びかける。
 世論調査で国民の多くが企業・団体献金を廃止すべきだとするだけに反発が高まりそうだ。
経団連の十倉雅和会長(資料写真)

経団連の十倉雅和会長(資料写真)

 与党の政策について「高く評価」としたのは11年連続。岸田政権のこの1年の政策が対象で「構造的な賃金引き上げ」など内政への対応に加え、外交や「経済安全保障の確保など多岐にわたる課題に成果を上げた」と指摘した。
 一方、今回は「政治への国民の信頼回復に向けて」との項目を設けた。自民党政治資金収支報告書の不記載問題を「大変遺憾だ」とし、政治サイドが説明責任を果たすなど国民の信頼回復に努めるよう求めた。

◆十倉雅和会長「クリーンな寄付は必要」

 十倉雅和会長は同日の会見で、企業・団体献金政党交付金の制度ができた際に廃止したはずだがと問われたのに対し「政党交付金だけで賄うべきだとの考えにはくみしない。民間からのクリーンな寄付は必要だ」とあくまでも政治献金の呼びかけを続ける考えを示した。
 与党の公明党と、立憲民主党日本維新の会、国民民主党については、主張する政策を列挙するのみで、事実上、自民党への献金を呼びかけた。(久原穏)