演説中に銃撃されたトランプ元大統領(写真・アフロ)
2024年7月14日、トランプ前大統領がペンシルベニア州の集会で演説していたところ、何者かが発砲し、右耳付近を負傷するケガをおった。容疑者は死亡、集会に参加していた1人も死亡したと報じられている。
発砲されて流血するトランプ前大統領の姿は衝撃的だが、それ以上に話題になったのは流血後の “とあるポーズ” だ。
「トランプ氏は発砲音をうけ、耳を抑えるような仕草をしたのち、すぐに演説台の下に伏せました。すかさずSPがトランプ氏に覆いかぶさり、背後にいた聴衆たちも悲鳴を上げながら突っ伏しました。
トランプ氏はその後、聴衆に向かって拳を突き上げ、ガッツポーズのままステージから退場し、医療施設に搬送されました」(現地記者)
演説中の銃撃となれば、多くの日本人が思い出すのは、2022年7月8日に発生した、安倍晋三元首相の銃撃事件だろう。
「この日、奈良県の街頭で応援演説をおこなっていた安倍元首相は、山上徹也容疑者による手製銃で銃撃され、その場で心肺停止状態に。ほどなくして死亡が確認されました。
総理大臣を務めた人物が殺害されたのは、1936年に発生した二・二六事件以来のことであり、当時は世間に大きな衝撃を与える事件となりました」(政治部記者)
奇しくも、トランプ氏が銃撃されたのが7月ということもあってか、Xでは安倍元首相の事件を思い起こす人々が続出している。
《トランプ撃たれたのマジ? 7月は安倍さん思い出すのよなぁ…沖縄旅行中にニュース見て震えたもん》
《トランプ前大統領は負傷で済んだとはいえ、集会参加者が死亡した今回の「銃撃事件」。どうしても2年前の「7月8日」、つまり「安倍元首相銃撃事件」を想起せざるを得ず、日曜の朝から非常に暗い気分になってしまいます》
《まさかアメリカのSPを持ってしても銃撃事件が起こると思わなかった 胸元直撃しなかったのが不幸中の幸いだけど、もし安倍さんの時みたいに撃ち抜かれてたらほんとにやばかった マジでこの世の終わりじゃん》
幸いにも、搬送先の医療施設で無事が確認されたトランプ元大統領。バイデン氏が「米国にこのような暴力が存在する余地はない」と銃撃を批判したように、暴力での解決は絶対にあってはならない。
会場外からトランプ氏を狙撃か 数百m離れた建物の屋根上から狙う(2024年7月14日『毎日新聞』)
容疑者は、トランプ氏を警護する大統領警護隊(シークレットサービス)に殺害された。聴衆1人が死亡、1人が重傷で、トランプ氏も耳のあたりを負傷した。司法当局は暗殺未遂事件として捜査を始めた。
報道によると、容疑者は、集会が開かれた屋外のイベント会場から数百メートル離れた建物の屋根の上にいた。ライフルなどを使って狙撃した可能性があるという。トランプ氏は普段から大統領警護隊が警護しており、集会に参加するには荷物検査を受ける必要もある。
容疑者はこうした警備態勢を把握した上で、会場外から狙った可能性がある。
13日の集会は一般市民も参加が可能で、会場も事前に広報されていた。【ワシントン秋山信一】
「隣の女性が撃たれた」 血だらけ、トランプ氏銃撃で会場パニック(2024年7月14日『毎日新聞』)
米ABCニュースによると、11月の大統領選と同時に行われる連邦上院選に臨む同州共和党候補のデーブ・マコーミック氏は会場の最前列におり、7、8発の銃声を聞いたという。さらに人々はパニックになり、皆が地面に伏せたと緊迫した状況を振り返った。
CBSニュースによると、トランプ氏の背後で演説を聞いていたというマイク・ケリー連邦下院議員は「隣にいた女性が撃たれ、他の人たちも撃たれた」と語った。
また、現場にいた救急医はCBSの取材に「発砲音を聞き、最初は爆竹だと思った」。救急医は「あそこで撃たれた」と叫んでいた方向に向かったところ、頭を撃たれて血だらけになった被害者がいたと証言した。【ワシントン西田進一郎】